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2018年12月05日

宿題

母に愛を頂戴と 両手を差し出すと
母は遠い所を見るように 私を見つめる

朝 白い大きなお皿の上に
母の首が置いてあった
寝室の机の上にある手が握っていたのは
((少しでも足しになれば…、
という文字だった

私は
愛する、ということについて 解答するために
母の首を提出した
倫理の先生は激怒し警察に電話を掛けた
心理学や哲学の先生は大絶賛して拍手した
社会の先生は私を取材し
科学の先生は私の脳波を計った
そして医学部の講師は
母の首をいくらで売ってくれるかと
真夜中に呼び出した

ただ用務員のおじさんだけが
私と同じような解答をしたので
飼育係にさせられたという

私の答え合わせは 誰がするのだろう
愛する、ということを宿題にした人は 
一体誰だったのだろう

校舎では
警察やマスコミや大学教授やドクターが
大声でナニカを喋り続けている
母の首を抱えながら 自分の首を傾けると
飼育小屋の中にいる用務員のおじさんと目が合った

次の日 私の首が
飼育小屋の棚の上に置かれている夕刊が
出回った

どうやら宿題の答え合わせは
その先から 始まるらしい

投稿者 tukiyomi : 2018年12月05日 21:45

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