« 2009年12月 | メイン | 2010年02月 »

2010年01月27日

楽園喪失

LOST PARADAISE 言葉無く 闇に残骸撒き散らし 四角い孤独が 影絵のように 独り部屋 過ぎた面影拾っては しがみつきたい貴女の微笑み 新しき 名が二人を裂く朝に 腕の中には 君の残り香 陽がのぼり 泣いた僕らを 嘲笑う 残酷に咲く 日常が届く 君でいて 私は私になるからと 笑顔の貴女 巻き戻せない 露草が 泪を流した午前2時 黒紫の孤独が溢れて 御揃いのストラップは熊と猫 愛の形見は主を失う 透明な球体(へや)の恋の傷痕(きず)口を 「さよなら」と描く紅き楽園

投稿者 つるぎ れい : 14:50 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月25日

家族とため息

家族とため息 母親を 蹴飛ばし逃げた20代 介護が始まる母の還暦 働いた金は全て俺の物 ジャイアン主義に泣いた鬼嫁 読経が 有難いと涙した 祖母の遺影は未だ哀しげ 今日もきた 父の友と名乗る人 父も知らない知らない友達 家を出て横浜に住む弟は 西の雲行き眺めてため息 先妻と母と愛人孕ませて 祖母の危篤時 父はパチンコ 祖父母逝き 跡に残るは藁葺き家 住んでいるのは九十九神 青春と呼べるものがある人よ それは「友」と呼べる財産

投稿者 つるぎ れい : 03:16 | コメント (0) | トラックバック

卑屈と反省と自暴自棄

卑屈と反省と自暴自棄 紙切れの上で喧嘩を売る口は 人に響かず犬が遠吠え 難しい言葉に比喩に倒置法 なにがなんだか質むずがゆい 感情と愛と技術は別物です 分裂病は未だ治らず 結婚に長い手順を踏むように 韻もふめない不明な作文 難問を 提起するのが大好きな政治家と私の二人三脚 いい加減 このテーマで歌詠みは 正直キツイぜ マジへこみすぎ そのわりに 即席にしてはナイスだと ちょとにんまり かなり複雑

投稿者 つるぎ れい : 00:43 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月24日

枠の外

枠の外 世界をデジカメのフレームで区切りたい昼下がり 「詩人」だとか「文学」だとか「哲学者」だとかの 記号の群れ達から飛び出したのは画用紙と水彩色鉛筆 昨日 窓の外側に向かってため息をついていた君も 今日 恋人から約束のメールがこない貴女も 営業のノルマに追いつけないセールスマンのエスカップも 国会議員の論争と昼寝のような気まぐれ管理職と同じ狭間     思想は崇高なテロリスト     赤と黒の激しいメロディー     やっぱり 響き渡るから     さっぱり 今日が沈まない 青いビニールシートに寝っ転がって 空ばかりみていました 空ばかりみていました そしたら 空っぽになってしまいました 私は見つからないはず それは きっと「アパシー」で それは きっと「アメジストのパワー」で キントンウンの行方ばかり気になる私は  きっと きっと  枠の外

投稿者 つるぎ れい : 16:29 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月19日

楽園へ

楽園へ 片手には地球と同じ重さの錠剤 これは楽園行きの片道切符 君からメールも電話もこないのは きっと鏡の国のウサギに誘惑されちゃったんだね 君は気まぐれアリス 片手には イギリス製のティーカップにロイヤルミルクティ 不思議の国を味わってキノコの上でお昼寝中 アリス 会いたかったよ 会いたかったよ 君は知らないだろうけど 君は知らないだろうけど 片手には地球と同じ重さの錠剤 これは楽園行きの片道切符 君の嫌がる感情は 総てシュレッダーにかけてきて 僕は虚空で愛を詠う 中途半端でダメな智天使(ケルビム)

投稿者 つるぎ れい : 22:13 | コメント (0) | トラックバック

愚者の理

愚者の理 汚れたこの手に 紅い慟哭を掴んでは 握りつぶし続ける       自らを傷つけて       望んだものを手にする瞬間は        いつも          残酷で             ひどく…                        愉快だ

投稿者 つるぎ れい : 16:38 | コメント (0) | トラックバック

合掌する手

合掌する手 戦後資本主義が生んだ ユウセイホゴホウにより 堕胎天国は幕を開け 女共は 素知らぬ顔で殺し続けた 透明なぬけがらを 何体背をっているかが ステータスになった男に足を開き 従軍慰安婦の末裔は 要らぬ命ばかり生産する 間違えて産んでしまいました の 生存許可書は剥奪され 虐待と衰退と餓死の履歴書は 積載量オーバー 社会保険庁博愛児童福祉課は 困るんですよねぇ の一点張りで愛想笑い ぐるぐるまわってあの世から いつのまにかの偶像崇拝 透明なケースの中 飲めない牛乳 使えないお金 線香一本の人生 必ず消えるろうそく となりには 薬指に炎のようなルビーが灯る おばさんの オムツも代えたことのない 合掌する手

投稿者 つるぎ れい : 13:23 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月17日

鳴りやまない世界

鳴りやまない世界 世界が傾いてみえるのは 私の首が斜めだから? 左手が震え出すと 地球上にない酸素を吸うの 白い粉と錠剤たちに征服されると 私は 世界に弾かれて 何処かで即興的に作られたお経が聴こえるわ 神の国は ベッドの乱れたシーツの上にも マッチの火のような 家の灯(あかり)にも 貴女の心音の高鳴りにもあるのに 黄金の骨壷の中の隠し金が 紙の国 世界が傾いて見えるのは 私の首が斜めだから? 貴女は今日産まれて 私は治療費に埋まれて 二人の境目の 「祝福」と「退廃」の生存記号の賃金は いつもの渡し守から 着払い 今日も空は 何事もなかったように綺麗だわ なのに お経が 鳴りやまないの ずっと神様が笑って見てる まるで 悪魔のような顔をして

投稿者 つるぎ れい : 16:41 | コメント (0) | トラックバック

誕生日の君へ

誕生日の君へ 赤き紅 さしたる君に揺らぐ瞳(め)を 赦したまえと 月が哀願 君が為 望みとあらば 唇に 101回目の プロポーズ 永遠を 誓う契約 夜に描き 君に歌うよ エターナルロマン 紡ぐ愛 紡ぐ指より 絡め取る 僕の未来は 君の小指に 愛なんて 安っぽいのは 嫌いなの 絆になるまで 未来を誓って 一月の 誕生石は ガーネット 指輪は一つ あとはいらない 午前2時 僕が夜空を見てる頃 君の産声 聞いた気がして これからも よろしくなんて いわないで これからさきも ずっとよろしく

投稿者 つるぎ れい : 01:11 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月09日

行方不明の激情

行方不明の激情 ミロ 千切れたこの腕に 愛欲の勝利を 自らを傷つけて 望んだものを手にする瞬間は   いつも      残酷で         ひどく…                    愉快だ

投稿者 つるぎ れい : 10:27 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月08日

しようか

しようか 猫に 紫陽花  猫と 紫陽花 紫陽花  紫陽花  紫陽花  猫の秘蜜    味わい太陽 猫に 紫陽花  猫と 紫陽花

投稿者 つるぎ れい : 19:22 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月05日

女郎蜘蛛の恋人

女郎蜘蛛の恋人 絡め取ってください その粘りついた 銀の針で 貴女の真ん中で 紅い鼓動に とどめを刺して 五臓六腑に飛び散ったベネチアンを 貴女にすべて捧げるから 私を編み込んで 作り替えて 例えば 従順な玩具犬に 例えば 貴女の胸に輝く 琥珀のペンダントトップに なんにも 怖くはないの 怖いのは 貴女の役に立たない 身体とか 心とか だから 早く紡いで! 濡れて粘りついた 彼処の糸の煌めきを 貴女の指で 編み込んで 声さえ あげないから さぁ 早く 貴女の濡れた指を 私の糸が 触れてと叫んで 溢れ続ける 煉獄の檻の中 もう 我慢できないの お願い 早く 貴女の内に 編み込んで 狂わせて 嘘で殺して くちづけて そして 早く 早く・・・ ・・・食べて ねえ 私の喉仏に 貴女のイニシャルが 成婚の証でしょ

投稿者 つるぎ れい : 16:08 | コメント (0) | トラックバック

25時の魔女たちへ

二十五時の魔女たちへ 紅月夜 冷たい指で奏でられ その旋律に桜(はな)は乱れて 温もりを 欲しがる猫にイルバチオ 楽園の香は殺人の味 月の使者 紅き名を持つ魔女の肌  聖痕(キズ)に焼かれて血を流すのみ 恋に酔い サバトに踊る魔女一人 後ろ手に縄 胸元に華 漏らす音 溢れる声も檻の中 肉体(カラダ)すら 心裏切り 主を求め 寒き夜も すきま風すら弾かれて 胸元にキス 下肢に法悦 チョコレート 溶け出した夜に滑り出す 甘い恋こそ 秘め始めなれ 人知れず 25時に咲く桜(はな)の 花弁をエキスに魔女(シトリー)は笑う

投稿者 つるぎ れい : 13:41 | コメント (0) | トラックバック

2010年01月04日

日の出

日の出 黒いとか白とか黄色の肌事情 光射照らせ ラインを超えて

投稿者 つるぎ れい : 09:35 | コメント (0) | トラックバック