メイン

2011年11月10日

月       


月


          (乱太郎)

淋しげに唄う
恋などとっくに忘れて
靡く淡い音色
月の後ろ髪が解かれるとき
湖面の中央辺りに
漂う
在りし日の君の輪郭


          (月夜見)

在りし日の恋ひとつ
水面に写るは
偽物の月の形

拾えど
掬えど
盗めない月

私の手は濡れていました
あの人との歳月を
泣くように

投稿者 つるぎ れい : 21:53 | コメント (0) | トラックバック

2011年09月10日

絆(乱太郎・月夜見)


絆(乱太郎・月夜見)


悲しみを
癒やしに変えて
言の葉を
紡ぐ指で
私に触れて


月夜見


触れたいと
言葉重ねて
愛撫する
迷い込んで
二人の森に


乱太郎


ダンジョンで
探してください
紅い花
あなたのものに
なった印を


月夜見


薔薇の精
肌朱く染め
永久(とわ)の舞
重ねた指は
渦巻く契り


乱太郎


悠久に
詩を描きましょう
君の手に
添えれるならば
私のてのひら


月夜見


てのひらに
わからないまま
文字ひとつ
でもあなたなら
むねでかんじた


乱太郎


抱いてみて
私の全て
捧げても
惜しくはないの
君をください


月夜見


あなたへと
僕の捧げる
ラブレター
恥じらいさえも
封じた切手


乱太郎


プライドも
あなたの前で
通じない
言葉塞がれ
身体が開く


月夜見


信じ合い
罵りあった
夜明け前
忘れられない
二つの孤独


乱太郎


闇に舞う
孤独二つを
捕まえて
放ってみれば
絆という蝶


月夜見

投稿者 つるぎ れい : 00:47 | コメント (0) | トラックバック