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2009年10月19日

紅葉(こうよう)

紅葉(こうよう)

紅葉(こうよう)

木枯らしを待ちわびる君の心に
紅き葉が寄り添い
透明に近い白い風景に
色彩をおとす

染み込ませたい
沁みさせたい
女がひくの紅すら
風に靡く貴方には
色も持たず
ただ
夕暮れの秋に
空が染まるのみ


貴方の視線の
向こう側に
虚空の嘘が一つ
陰を纏い
紅葉の炎すら
不知火になりきれず
ただ 朽ちるだけ

訪れの便り遅く
二人の心には枯葉が舞う


あぁ
今 踏みつけた
色褪せた葉の名こそが
「恋」
ではなかったか

投稿者 つるぎ れい : 23:42 | コメント (0) | トラックバック

蜜指

蜜指

蜜指


決して美しいとはいえない私の短い爪に
貴女そっと火を灯した

じっと していて…


それは魅了の呪文
ローズパラダイスに染め上げらた私の指は
淡い水色の携帯の上でも
貴女の独占欲が自己主張する

マニキュアに温度が
指先に恋が
呪縛に艶が
あるなんて
思いもしなかった

なんて鮮やかな執着

この指で今夜も貴女に触れるのに
貴女は全てを知っていて
私を禁断の園へ誘う

禁じられた遊戯に弾かれて
貴女はどんなふうに踊るのだろう

指先には枷
染めあげたのは
鮮やかな夢の夜

薔薇色の爪は温度を保ち
私に花園の鍵を与えた

今夜も…花が…咲いてしまう…

あいくるしい花が
夜露に濡れて
焔のような雫を指が
絡めるだろうか

投稿者 つるぎ れい : 23:15 | コメント (0) | トラックバック