« 熱 | メイン | ネズミ »

2014年10月12日

刺さる雨

ずぶ濡れのアパートを 飛び出して
たよりない街の たよりない自分から
駆け出して行く

「お前を産んだ途端に、
お母さんの人生は終わってしまったんだ」と、
罵る泣き声のようなものを
私は 誰に伝えたらいい

望まれないで 産まれてくることの
理不尽さをのせた産声は
雨に 叩かれ続ける

ねえ、
私は どこまで走ればいい

はじめから
ずぶ濡れながら喚いて
生きてきたような 私

それでも
雨がやむ頃には
晴れた空が 私の影だけを
映すだろうか

しかくいものを見ては まるいと言い
まるいものの中で 傷つけられてきた
そんな自分にしか なれなかったのに

私の影を埋める
誰かの陰を感じながら
雨が 頬を濡らし続ける

投稿者 tukiyomi : 2014年10月12日 23:06

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
https://www.a-happy.jp/blog/mt-tb.cgi/14089

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)