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2014年04月06日

アンテナ

アンテナが張り巡らされて うるさい
春の雨の水滴が どんなに意思表示しても
夜を昼に変えるような速度で
彼女たちを 蒸発させてゆく

私の内側にあるものを
私の外側のことと 置き換えて
無言で罵り合う 電波塔の赤い光

黙ったまま 私のスカートの中を
のぞき見したことを 告げていた
 (アナタノ受信トレイニ 一件)

アンテナが張り巡らされて うるさい
青い空を滅多刺しにした あの黒い導火線たち
ことにワイヤーで取り巻かれた 黒光りする蛇が
とぐろを巻いて 上から舌を出している

私は頭を覗かれ 体をグルグル巻きに縛られ
点滅する文字となって 
多くの知らない人たちのもとへ 拡散される
 (キンキュウニ オタシカメクダイ)

粉々になった私は
たぶん、あの日蒸発した春の雨のようで
いつも、スカートを覗かれている小学生
切り裂かれて転げ落ちた空のようで
黒い蛇に見下ろされて 
監視されては 怯えるモグラ
 (パソコンガ ウイルスニ カンセンシテイマス)

私は
アンテナに縛られ運ばれ 粉々になりながら
拡散されては 消されてゆく
 (デリート、デリート、デリート、)


投稿者 tukiyomi : 2014年04月06日 07:35

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