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2013年07月31日

月齢

月齢


海が荒れている
深い底から彷彿と
なにかが躰を流れていくような
小さな月を身ごもるような
潮の渦
月の吸引力に支配されて
瞳から一粒の海が頬を伝う

女だけが孕んでいるいくつもの風と月の卵
晒らされたのは名月だけが知る裸体

胸の先尖が天に向かって赤く咲くのは
天から夜の乳呑み児がくるから

私は請われるままに授乳する
張った胸を腕で丸く包み込み
胸下のたわわな肉を揉みほぐす

月の使者を迎え入れた5日間は
躰の芯のマグマから
微熱色の母体のぬけがらが
ひたり ひたり
と散っては沈んで逝く

渦巻く流動的高ぶりは鳴り止まず
紅の激流と渇愛の濁流に
胸は揺さぶり 揺さぶられ
乾いた唇からたぎる血の悩みに
小さな情事も静寂に溶けてゆく

月の海でもう一人の私が覚醒し
裏側でもうひとりの私が死んで逝く

私の海を私は渡る
妖しい足取りで
したたかな女の顔で
歳月を重ねてゆく夜

私 月齢 1.5

投稿者 つるぎ れい : 2013年07月31日 22:16

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