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2013年06月02日

紫陽花

【紫陽花】


透明な蒼をたたえた僕の傍に 一房の紫陽花

「ねえ、紫陽花の花言葉を御存知ですか?」

意地悪そうに 僕を見上げて
刺さったままの あの日の視線

やわらかな微熱の風が 
今 紙とペンの間を 通過してゆく

 僕たちにバーボンは似合わなくて
 カクテルのようにも混ざり合えない
 バニラエッセンスの薫るホットミルク
 ウヰスキーを忍ばせたブラックコーヒー
 寄り添ったマグカップの中
 沈んでいたのは 僕らの未来
 マーブル模様の天気予報

売れない小説家の僕に
貴女はちいさく笑ってくれた 一房の紫陽花

「ねえ、紫陽花の花言葉を御存知ですか?」

淡いピンクに戻れない
雨に濡れたままの いつかの 紫陽花(しようか)

投稿者 つるぎ れい : 2013年06月02日 15:53

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