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2013年02月09日

親愛なる・・・

親愛なる・・・


ノートから黒い蟻がびっしりと 這い上がり
白い細胞の隅々までも 黒点の大群に 肉体を食いちぎられ
肺癌宣告に 窒息を余儀なくされても
まだ 蟻たちは あなた方の五臓六腑を進軍してゆく

苦い蟻を飼う人よ
文字の孤独は黒く黒く
あなた方を塗りつぶし 頭を壊し
心臓に原因不明の刃を突き刺したままだ

胸から鎮まることのない墨汁たちが
あなた方に 最期の夕焼けを
「真っ赤」にして 詩を描けという

親愛なる人よ
リアルを響かせたまま 懐メロにするな
色褪せてゆく 言葉だけ遺して 逝くな
笑顔のままで 背を向ける真似をするな

親愛なる人よ
約束してくれ
私より 先には
逝かないと

あなた方の
描いた夕焼け空は
私に 
決して見せないと…

投稿者 つるぎ れい : 2013年02月09日 02:19

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