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2011年11月29日

執着

執着


夜が孤独を運び
激情が暗闇を
照らし出す

あなたの匂いの
立ち込める一切の
物たちが騒ぎだすと
血は蝋燭の炎のように
朱く蒼く燃え盛る

焼けない写真
褪せない傷痕
降り積もる優しさ
それらが真綿で
首を絞めるから
息ぐるしくて
胸をかきむしる

体に流れる水脈が
目から蒸発を始め
口から濾過された
水道水が零れ落ちてゆく

蝕まれて逝く躰に
ガソリンをまいて
渦巻き手を繋ぐ炎に
身を任せ
今 朽ちたはずの躰は
火柱となって
振り払えない
火の粉を生み出す

(困らせたい)
(奪い去りたい)
(閉じ込めたい)

燃え尽きることを
知らない炎は
成仏できない
狂女の亡霊にも似て
私と同じ顔をしている

投稿者 つるぎ れい : 2011年11月29日 21:43

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