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2011年09月04日

眼光

眼光


あなたは言葉を探す
本棚の深い森に
真昼を横切る猫の瞳に

君は主張を述べる
褪せた選挙ポスターに
迷い犬の張り紙に

人々は見つめ続ける
車に敷かれた猫の白目
保健所に運ばれる野良犬の陰り

私たちは詩を綴る
滲んだ万年筆のインクから
本当に伝えたいのは
青い涙

眼のスクリーンに焼き付けられた
日常化する赤と黒を
鋭利な刃で記録する

行間の隙間に想いを折り込み
文字に祈りを託してみても
ペン先から滲んだ染みが
じわじわ波紋を投げかける

それぞれに与えられた質問用紙
青いインクは「空」を描く

胸にインクを滲ませて
私たちは寂しく停電するだろう

それでも遺さずにはいられない
記憶の森に沈まない太陽
夕映えをに轟く雷鳴
稲妻のような瞬き
全ては
見開いたままで

投稿者 つるぎ れい : 2011年09月04日 09:41

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