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2011年02月07日

赤い部屋

赤い部屋


微睡むことさえ赦されない
赤い電灯の下で
君の舌を引きづりだし
僕は口腔から僕を入れる

開かれた四肢は朱に染まり
君の中の僕が脈打つ

キャミソールドレスから
爪先から
唇から
肌から
はだけられ
晒された全てから
鼓動が脈打ち
君はピアノの鍵盤の響きに合わせて
流動体の赤血球を泳ぐ

蛇の館に一人
囲まれたカナリアは
泣き顔は見せず歌うだけ

湿ったのは這わせた指先ではなく
遠い雨の日の赤紫のアイリスの芯

誘ったのは君
暴きだしたのは僕
二人が赦していたのは
欺瞞と虚飾の愛の調べ

だから火を点けないで
薄闇の天井に
ポツリ酸素を請う
赤い電球の色彩のままで

独りぼっちの
暮れない夜の
過ちの朱印

文字のない部屋
空っぽの鳥籠
安らかな黒い柩
赤い孤独が滲む部屋

投稿者 つるぎ れい : 2011年02月07日 02:55

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