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2010年12月10日

深淵なる夜の淵で

深遠なる夜の淵で 深遠なる夜の 深遠なる夜の淵で待っているものは 静寂ばかりとは限らない 世界の同時刻に三人の僕が 寒さ凌ぎの湯を沸かし 沸点まで込み上げる感情に涙している 深遠なる夜の 深遠なる夜の淵で聞こえるものは 冷蔵庫の電音だけとは限らない 眠っている卵 明日食べる三合の米 日本の裏側からやってきた魚たちの瞬き 土の中の里芋の生々 隣り部屋の愛すべき老女の寝息 深遠なる夜の 深遠なる夜の淵で訪れるものは 孤独だけとは限らない 三日月のように笑う君の口角 僕を飲み込む器を持つ聖女のような性女 小さく漏れる吐息の破片(カケラ) のばされる事を赦されないシーツの皺 果てを知らない欲望の闇 深遠なる夜の 深遠なる夜の扉の向こう側に見えるもの 小さな一喜一憂 限りある命の芽吹き 君のカラダ二つ 僕の心(アイ)ひとつ

投稿者 つるぎ れい : 2010年12月10日 21:01

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