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2010年08月10日

赤い部屋

赤い部屋 微睡むことさえ赦されない 赤い電灯の下で 君の舌を引きづりだし 僕は口腔から僕を入れる 開かれた四肢は朱に染まり 君の中の僕が脈打つ キャミソールドレスから 爪先から 唇から 肌から はだけられ 晒された全てから 鼓動が脈打ち 君はピアノの鍵盤の響きに合わせて 流動体の赤血球を泳ぐ 蛇の館に一人 囲まれたカナリアは 泣き顔は見せず歌うだけ 湿ったのは這わせた指先ではなく 遠い雨の日の赤紫のアイリスの芯 誘ったのは君 暴きだしたのは僕 二人が赦していたのは 欺瞞と虚飾の愛の調べ だから火を点けないで 薄闇の天井に ポツリ酸素を請う 赤い電球の色彩のままで 独りぼっちの 暮れない夜の 過ちの朱印 文字のない部屋 空っぽの鳥籠 安らかな黒い柩 赤い孤独が滲む部屋

投稿者 つるぎ れい : 2010年08月10日 02:29

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