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2009年12月29日

どこ?

どこ? 役に立たないのなら死んでくれ! と 父親に言われた事は覚えているんだけど 白い箱 人を置く棚 四つ みぎうえ 家族が死んだ! 死んだらあかん! 繰り返すカセット すり減って 三日後 お経 みぎよこ 食べられないのに長生きできる不思議な老人 まえ 気ィくるとんのか! 叫ぶ おばちゃん 手洗い場の白い消毒液が笑う 飲んでみたら甘いよって笑う ここは どこ 言葉にできない

投稿者 つるぎ れい : 00:28 | コメント (0) | トラックバック

知らないおばちゃん

知らないおばちゃん 同じ病棟の隣り部屋に 遠縁にあたる 近所のおばちゃんが 入院した 徘徊しないように服を 太糸で繋がれて 何度も何度でも 「家族が死んだ!」 と夜中叫び続けた 根性負けした看護婦に 家族の声を聞かせるための 公衆電話の十円玉の声は 一日三枚 ねえ おばちゃん 昔みたいに言ってよ 玉葱作りすぎたから 勝手に欲しいだけもっていき! って ねえ 喋ってよ 実の娘と娘婿が ストレス解消に 夜中に虐待を受けてるって   (どんどん家族が死んでいくのでこわくてねむれられへん) おばちゃんは 家族を殺してしまった 贖罪のために 頭から樹海に入って 今も彷徨っている ねえ 戻っておいでよ 片足を引きずりながら 杖ついて 茄子も持っていき! と 大声で笑っていた 昔なじみの 知ってるおばちゃんに

投稿者 つるぎ れい : 00:24 | コメント (0) | トラックバック

2009年12月06日

未完成

未完成 未完成 玉虫色の瞳 何 映す 欺瞞の世界か 思惑にとらわれた 恋の行方か その瞳すら 狡猾の輝き 蒼き陰は 秘密を含み 鮮やかに 朱に交われば 身を隠す衣 お前の傾いた 価値観の習性は 直らず ただ 嘯く装いで 予知夢を疑い続ける ならば 五感で 映るものの 虚偽を破れ 六感の スピリチュアルなど 捨て置け! 或る女の インスピレーションで 描かれたお前も 作者と同じく また 未完成 魂を 魂を 授ける日まで 今は 楽園を 待て

投稿者 つるぎ れい : 12:03 | コメント (0) | トラックバック

約束だけ

約束だけうず あおいカオスの渦が 二人を呑み込み 流れにおされ 最果て 煙りたち 消え行く魂 混沌の龍泉に 私たちは お互いの 命の表現を続けながら 来世を信じ 哭きながら 言葉に 溺れ 傲り 酔いつぶれ 飲まれ続ける 時もなく 尺度もなく 肉体も 砂塵に消え 想いは溢れる ありきたりな詩 愛する君よ その魂が 「私」と「信」の記号を 知覚していたとしても 未来邂逅は いたずらに ままならず 夢現に 微睡み 揺られ 奈落へ墜ちるだろう かつて詠いし たまゆらの恋は 浮遊を知らず 微笑みて 沈みゆくのみ だから 今は 「在りし日」の 笑顔の 君との 約束だけ

投稿者 つるぎ れい : 10:12 | コメント (0) | トラックバック