9月9日の夢(団地の中の仮設舞台)

 妻といっしょに講演会に出かける。会場まで果てしなく思われるほど長い、白いきれいな階段を早足で登っていく。登りきったところは、鉄パイプを組み合わせてつくられた大がかりな仮設の観覧席になっていて、既に大勢の観客でいっぱいだ。「まるでサーカス小屋のようだね」という客の声も聞こえる。そこは屋外で、周りに壁のように建ち並んでいるのは、団地群だ。どこかの団地の中庭にこの仮設舞台は作られているのだろう。団地のベランダには洗濯物がひるがえり、夜なので電灯がついている部屋も、真っ暗な部屋もある。風呂上がりだろうか。暗いベランダに素っ裸のまま、出てきた男性もいる。ぼくはこの情景を眺めるうち、これらの団地が罪人の収容施設であると直観する。そして、その中で仮設舞台を見守るぼくたちもまた、なんらかの罪のある者たちなのだと考える。
 渋谷の裏町を歩いている。手に最新式の携帯を持っているが、使い方が分からない。めくらめっぽうボタンを押してみると、歩いている街と全く同じ風景が画面に現れた。そして、画面にはその街の建物の名前がみんな表示されている。これは目指す建物を探すのに便利な機能だ。ぼくは携帯を前にかざしながら、画面に導かれて前進していく。

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9月7日の夢(床の落ちる喫茶店)

 京都に住む詩人からS誌の新人賞の作品を替わりに投函してくれるよう依頼された。依頼通りに昨日投函したつもりだったが、S誌をもう一度見直してみると、間違えて去年の応募用紙と応募封筒に書き込んで送ってしまったことに気がついた。
 新しい応募用紙と封筒の付いたS誌を書店で探すが、見つからない。図書館でも探してみようと思う。すると市の広報車が道路を走ってきて、「○○の本を図書館で探してください」というお願いが妻の声で車のスピーカーから流れ出した。
 図書館に行くと、S誌の最新号があった。人目を忍んで新しい応募用紙を破りとって、喫茶店に入る。そこに、ぼくに投函を依頼した詩人がいるのではないかと思ったからだが、三階まで探したが見当たらない。ともかく坐って応募用紙を書き直そうと、自分の座る席を探すが、どのテーブルにも客が座っていて空席がない。  しかたなく、水のコップとコーヒーカップを手にしたまま、席を探してうろうろする。
 あきらめて店を出ようと階段を降りかけたとき、ズボンのポケットに入れたはずの財布がないことに気づく。これはまずい。お金を払わずに何食わぬ顔でレジを通り抜けようと思う。コップ等を踊り場にこっそり置き、階段を降りようとする。喫茶店は螺旋状の吹き抜け構造になっていて、螺旋階段の外側に各階のフロアが広がっている。そのとき、一つ下の階の床が突然抜けて、ウェイトレスもろともどしんと下に落ちてしまった。ぼくはびっくりするが、そのまま螺旋階段を降りていく。すると、もう一つ下の階でも同じように、ウェイトレスを乗せたまま、床がどしんと下に落ちる。それも横目に何食わぬ顔で通り抜け、ついに一階のレジが階段の下に見えてくる。しかし、出口には天井からシャッターのように厚い白壁が降りてきていて、床との間の隙間はほんの僅かしかない。その僅かな隙間をリンボーダンスのようにして通り抜け、無事に外へ出ることができた。

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9月5日の夢(医者へ行く)

 風邪をひいたのでクリニックに行く。待合室は患者でいっぱいだ。本を読みながら待つことにする。薬だけ貰えればいいのだが、しばらく来ていないし、風邪となれば診察を受けないわけにもいかないだろう。と思っているうちに、診察室に呼ばれてしまった。
 診察室は乱雑を極めていて、どこに腰掛けたらよいのか分からない。椅子はなく、形の崩れたクッションのようなものが、散らかっているだけだ。ぼくは医者の右に座ろうか、左に座ろうかと迷って、うろうろする。

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9月2日の夢(日米高校野球)

 ぼくは日本の高校球児で、アメリカの高校生チームと対戦することになっている。両チームはそれぞれ島を借り切って、キャンプを張っている。テレビでまずぼくらのチームの島での生活が伝えられる。次に画面が切り替わって、アメリカチームだ。島自体がなんだかセンスがいいし、そこでキャンプしているアメリカの高校生達は、みんなミュージカル仕立てで歌って踊っている。ぼくは「アメリカの人たちはみんなミュージカルをやっていると思っちゃうね」と感想を述べる。

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8月29日の夢(モンゴルへの喪の旅)

 作家の寮美千子さんとモンゴルのような国へ、知人のお葬式に出かける。目指す家の前に着いて、携帯で電話するが、電話に出た女性は「ちょうど出棺で、これから墓地に行くので、今はあなたたちは私たちの姿を見てはいけない習慣になっている。立ち去りなさい」と告げる。ぼくと寮さんはくるりと背中を向け、おとなしく立ち去る。後ろから日本の知人たちの「あっ、寮さんだ」という声がするが、二人は決して振り返らない。
 街は区画ごとに扉があって、街全体が一つの大きな家ででもあるかのようだ。それぞれの部屋で職人たちが黙々と自分の仕事をしているのを見学しながら歩くうち、二人はばらばらになってしまう。すると、空から雪とも小糠雨ともしれぬものが降ってきた。そろそろあの家に戻る時間だと思い、寮さんを探しに行く。彼女はある部屋で、紙ゴミにまみれてすやすや眠っていた。彼女の肩に手をかけて、揺り起こす。

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8月28日の夢(心臓をなくす夢)

 クライアントのW氏と取材のため、地方のホテルに宿泊している。いざ出発しようとして、W氏と出かけようとしたとたん、自分がスリッパのままだということに気づく。しまった。もうチェックアウトしてしまった。W氏に理由を説明して、フロントに急ぐ。フロントは行列ができていて、並ばなければいけない。やっと自分の番が来て、「○○号室の一色ですが、部屋に靴を置いてきてしまって・・・」と言うと、フロントの男は落ち着いて、奥の棚からぼくの靴を出してくる。ぼくは大喜びで「それです、それです」と叫ぶが、男はすぐには返せないと言う。ぼくは怒って、「では、靴屋へ行けというのか」と怒鳴るが、男はぼくの耳に口を近づけ、声をひそめて「あと10分待て。女房が帰ってくるから」と言う。
 しかたなく、ぼくはスリッパのまま駅に行く。駅ではホームの前で、W氏が椅子に座って待っている。ぼくも坐ろうと、別の椅子に腰掛けるが、その椅子はひっくり返り、ぼくは泥まみれになる。そのとたん、そこにはベッドが出現し、ぼくはベッドと壁との間に押しつけられる。ベッドには病気の男が寝ている。ぼくはそんな窮屈な中で、緑色のネクタイを締める。ベッドの男は寝床の中から、もう一本緑色のネクタイを取り出す。W氏が「それはぼくのです」と言って、彼も緑のネクタイを締める。
 そこへホテルのおかみさんが帰ってきた。おかみさんといっしょに、ぼくはいよいよ自分の靴を取り返しに行くのだが、実はそれは靴ではなく、ぼくの心臓なのだ。そして、ぼくの心臓は長老詩人のI氏の体の中に入ってしまっている。それを取り戻すにはある儀式が必要だ。大きな川が流れており、その向こう岸に足を水につけて、白髪を振り乱した長身のI氏の姿が幽鬼のように見える。二人の女と一人の男によるロックバンドが儀式をやってくれるらしい。彼らはヤクを飲み、裸体になって踊りながら、幻想の世界に入り込む。まるで降霊術だ。こんなことで、ぼくの心臓は無事に取り戻せるのだろうか。

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8月27日の夢(燃え移る火とゴキブリ)

 Uカメラマンの前に鍋を置き、コンロに火を点ける。ところが、Uカメラマンが首をひねって後ろを見ている間に、彼の着ていた白いTシャツに火が燃え移ってしまった。「火がついちゃった」と、ぼくは言い、彼に前に出てきてもらって、お風呂の残り湯をかけてTシャツの火を消した。
 床が見えないほど、紙ゴミで埋め尽くされた汚い部屋で生活している。ゴキブリが一匹出てきた。叩いて殺すのは面倒くさいので、おどかして逃がしてやる。すると、今度は3匹出てきた。ぼくの体に這い登りそう。またおどかすと、いったん逃げるが、さらに群をなして出てきた。

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8月26日の夢(アンティークな列車)

 ぼくは古い懐かしい感じのするアンティークな列車に乗っている。窓の外の線路を、やはりアンティークな古い列車や貨物列車が通り過ぎていく。車内に貼られている広告も、みな奇妙で時代を感じさせるものばかりだ。
 駅に列車が停車する。駅舎もアンティークな建物だが、ゆくてに現代的な高速道路の高架が見える。それがゆっくりと、スローモーションのように倒壊する。列車はまた動き出した。高架を走っているというより、殆ど空を飛んでいる感じだ。川が見える。川の水面の途中に古い時代と現代との境目があるらしく、そこで空間に段差ができていて、水が白く泡立ちながら流れ落ちていく。
 海岸に列車は出た。たくさんの白い海鳥が空を飛んでいる。「ここはどこだったろう?」「こんな景色はたくさんあったからね」と、ぼくは隣の席の同乗者と会話する。
 いつのまにかぼくらは列車を降りて、街を歩いている。ぼくは十代の若い少女で、小さな少年を肩車している。その少年もまたぼく自身であるような気がする。ぼくらの後を遅れてついて歩いていた若い男(ぼくらよりは年上)が突然、ぼくらを追い抜き、行く手をふさぐ壁に手を突っ込む。すると、壁は壊れて入り口が現れる。さらに男はまっすぐ手を差し出すが、壁はそれ以上開かない。後ろから覗き込んだぼくである少女が「こっちよ」と左手を指示する。男が言われるとおりにそちらに手を突っ込むと、入り口が現れて、ぼくらは小さな酒場に入ることができた。
 酒場にはママさんがひとりで客の相手をしている。そこへ入ると、男の体を学生服が包み込む。不思議な白い点々とした染みが学生服にはついている。そして男はギターを持ち、「丘をこえて行こうよ」と歌い出す。店内は若い男女でいっぱいで、みんなもぼくである少女も手拍子で男に合わせる。
 歌い終わるとママが言う。「どこへ行くの?」 男もみんなも口々に答える。「フィリピン」「南シナ」・・・、みんなこれから出征して死んでいくのだ。ぼくである少女の目から大粒の涙があふれ出す。

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8月24日の夢(地下クラブ)

 荒れ果てた埋め立て地のようなところ。岩穴があいていて、それに向かって何か叫ぶと、入り口をふさいでいた岩がくしゃっと紙風船のようにしぼんで、隙間ができた。とはいえ、服を着たまま入るには狭すぎるので、パンツ一枚になってやっとくぐり抜ける。と、足を載せたところがソファーのような形のエレベーターになって、地下に降りることができた。
 そこは秘密の会員制クラブのようなところらしい。そこへ入った者はみんな、「ただいま!」と言うのが決まりだ。ぼくも「ただいま」と言って入っていくと、Mカメラマンともう一人の男が「行くぞ!」と気合いを入れて、どこかへ出かけていく。ぼくも二人についていくつもりだったのに、取り残されてしまった。それに、ほかの男達は服を着ているのに、ぼくだけがパンツ一枚で、なんだか恥ずかしい。見回すと、元西武ライオンズの秋山の顔も見える。
 地下なのに、窓からさわやかな風が入ってきて、気持ちがいい。覗くと、真っ青な空と、地面の白い砂がまぶしい。そこへアナウンスが聞こえてきた。アナウンサーとは思えない口べたなしゃべり方で、「今日からバスは明大の前で降ります」と言う。変な日本語に、居合わせた男達はどっと笑う。バスの乗客たちはそこで強制的に船に乗り換えさせられ、奴隷としてここに連れて来られるのだ。男の一人が別の窓から外を覗いている。乗客たちの拉致の様子が見えるのだろうか。ぼくも急いでその窓を覗きに行く。

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8月22日の夢(迎撃ミサイル)

 社長と、女性社員のIさん、男性のK営業部長、ぼくの四人がいる。Iさんが面白い発言をして、K部長と手をとりあって、笑い転げる。しかし、計器を見ると、今の発言でぼくらが攻撃される確率は70数%に急上昇した。彼女の発言があまりに正鵠を射ているからだ。これはやばい。ぼくは迎撃ミサイルを肩に担いで、迎撃の準備をする。

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