9月7日の夢(床の落ちる喫茶店)

 京都に住む詩人からS誌の新人賞の作品を替わりに投函してくれるよう依頼された。依頼通りに昨日投函したつもりだったが、S誌をもう一度見直してみると、間違えて去年の応募用紙と応募封筒に書き込んで送ってしまったことに気がついた。
 新しい応募用紙と封筒の付いたS誌を書店で探すが、見つからない。図書館でも探してみようと思う。すると市の広報車が道路を走ってきて、「○○の本を図書館で探してください」というお願いが妻の声で車のスピーカーから流れ出した。
 図書館に行くと、S誌の最新号があった。人目を忍んで新しい応募用紙を破りとって、喫茶店に入る。そこに、ぼくに投函を依頼した詩人がいるのではないかと思ったからだが、三階まで探したが見当たらない。ともかく坐って応募用紙を書き直そうと、自分の座る席を探すが、どのテーブルにも客が座っていて空席がない。  しかたなく、水のコップとコーヒーカップを手にしたまま、席を探してうろうろする。
 あきらめて店を出ようと階段を降りかけたとき、ズボンのポケットに入れたはずの財布がないことに気づく。これはまずい。お金を払わずに何食わぬ顔でレジを通り抜けようと思う。コップ等を踊り場にこっそり置き、階段を降りようとする。喫茶店は螺旋状の吹き抜け構造になっていて、螺旋階段の外側に各階のフロアが広がっている。そのとき、一つ下の階の床が突然抜けて、ウェイトレスもろともどしんと下に落ちてしまった。ぼくはびっくりするが、そのまま螺旋階段を降りていく。すると、もう一つ下の階でも同じように、ウェイトレスを乗せたまま、床がどしんと下に落ちる。それも横目に何食わぬ顔で通り抜け、ついに一階のレジが階段の下に見えてくる。しかし、出口には天井からシャッターのように厚い白壁が降りてきていて、床との間の隙間はほんの僅かしかない。その僅かな隙間をリンボーダンスのようにして通り抜け、無事に外へ出ることができた。

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