8月29日の夢(モンゴルへの喪の旅)

 作家の寮美千子さんとモンゴルのような国へ、知人のお葬式に出かける。目指す家の前に着いて、携帯で電話するが、電話に出た女性は「ちょうど出棺で、これから墓地に行くので、今はあなたたちは私たちの姿を見てはいけない習慣になっている。立ち去りなさい」と告げる。ぼくと寮さんはくるりと背中を向け、おとなしく立ち去る。後ろから日本の知人たちの「あっ、寮さんだ」という声がするが、二人は決して振り返らない。
 街は区画ごとに扉があって、街全体が一つの大きな家ででもあるかのようだ。それぞれの部屋で職人たちが黙々と自分の仕事をしているのを見学しながら歩くうち、二人はばらばらになってしまう。すると、空から雪とも小糠雨ともしれぬものが降ってきた。そろそろあの家に戻る時間だと思い、寮さんを探しに行く。彼女はある部屋で、紙ゴミにまみれてすやすや眠っていた。彼女の肩に手をかけて、揺り起こす。

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