ズボンをなくす

 追われている。ナチかアメリカか、侵略者か。大きな建物の中の、水たまりか池のようなところを、初老の男女数人といっしょに、向こう岸へ渡ろうとする。みんな疲れて、難民のような感じ。飛び石のように、石が水面から突き出ているのを、つたっていくが、ぐらぐらしていて、とても不安定だ。今にも水面に落ちてしまいそうな不安に襲われる。なんとか渡りきり、ほっとして足元を見ると、なんとぼくはズボンをはいていない。武装した女性兵士に「ズボンを向こうに置いてきてしまいました。取りに戻ってもよいでしょうか」と訴える。彼女は意外にやさしく、ぼくと同行してくれるという。今度は兵士といっしょなので、池を渡らず、大回りして元いた場所に戻る。しかし、ぼくのズボンは見当たらない。

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海生生物の標本

 高層ビルのベランダで妻に、ぼくが採集した海の生き物のコレクションをいくつも見せている。みんな細かく仕切られた大きな標本箱の中に整理されているが、まだ生きている。中には箱に入れて、その箱を紐でぐるぐる巻きにしてあるのに、箱ごとぴょんぴょん跳ねている元気なやつもいる。ぼくもさすがにその箱をあける気にならず、「これは怖いから、あけないことにしようね」と言う。妻は「私は女の子だから、こういうのはあんまり見たくないわ」と答える。ぼくは「そうだ。もう一個あるから取ってくる」と言って、室内に戻る。だが、見つからないので、エレベーターで一階まで戻る。そこはごったがえしたデパートの売場だった。その最後の一個をぼくはどうしても見つけることができない。

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1月21日の夢(フィリピン旅行記)

 妻とフィリピンに旅行する。温泉があるというので、行ってみる。温泉といっても田圃のようなところで、外人の夫婦などが泥の中に腹這いになっている。胸を泥に沈めているのは、乳ガンに効く温泉だからだという。勇気を出して、泥の中を泳ぐ人もあると聞く。
 帰国することになり、出国口に行列する。ポケットからパスネット(私鉄の共通カード)を出して持つ。いや、電車ではなく、飛行機に乗るのだと、間違いに気づく。そこへツアーコンダクターがやってきた。コンダクターはS病院泌尿器科のぼくの主治医だ。精算の必要があるという。ぼくは55000円だ。「多いねー!」とコンダクター。温泉などへ行ったからだろうか。財布から現地の紙幣で払おうとすると、日本円でなければ駄目だと言う。ぼくの財布には分厚い札束が入っているので、それを取り出す。だが、その大部分は以前に交換しそこなったドル紙幣で、なかなか日本円が見つからない。ようやく55000円を渡すと、コンダクターはそれを持って、どこかへ行ったまま戻ってこない。一緒に行列に並んでいた妻も、その間にトイレに行ってしまい、戻ってこない。
 一人になったぼくに、群衆の中から二人の怪しげな男が現れ、「そのお腹にくっついているものは何だい?」と指さす。自分のお腹を見下ろすと、ジーンズのズボンのお腹のところに変な金属の塊がブローチか何かのようにくっついている。「ああ、これはベルトのバックルが外れてしまったみたいたね。なんなら、あげるよ」と、ぼくは精一杯の愛想笑いをつくって答える。抵抗したら生命が危ないかもしれないからだ。でも、ただでくれてやるのも、ちょっと悔しい。「なんならお金をくれてもいいし、何かと交換してあげてもいいよ」。そう言うと、相手の男は自分がベルトにつけていた、薄汚い金属の塊を替わりにくれた。受け取ってみると、ずしりと重く、しかも金色に輝いている。しかし、お腹の金属を男に取られてしまったので、ズボンのデザインが変に間が抜けてしまってかっこわるい。ぼくはジーンズにデザインとしてくっついていた金属製の紐のようなものの位置を直して、なんとかズボンの体裁を整える。

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1月20日の夢(コンクール養成講座)

 フランスへ旅行に行き、バスで帰国した。
 コンクール養成講座というのに通ったら、あるコンクールの5位に入賞して、20万円の賞金をもらった。新聞記者に感想を求められて、「現代詩も実験的段階では教えてもらって習うということができなかったが、ようやくノーハウが確立して、教えられるようになったのでしょう」と話す。

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1月18日の夢(裏庭のテント族)

 夜、ゴミを捨てに行こうとすると、妻が「庭に暴走族が入り込んでいるようだから、追い出して」と言う。ゴミ袋を提げたまま裏庭(40年前の名古屋の実家の裏庭)に行くと、そこにはいくつも白いテントが張られていた。「リーダーは誰だ」とぼくが叫ぶと、右の方から若い男が現れ、左からは少し老けたおばさんが出てきた。「ぼくはリーダーと話したいんだ」と再び叫ぶと、男の方がぼくと向き合った。彼はぼくに地図を示しながら「この地点は昔JRの○○線の分岐点だった。だから、ここは祭りの広場なのだ」と言う。その話なら、ぼくも聞いたことがある。「だが、それは地図の読み違いで、この場所ではない。ここは小田急線の支線の分岐点だったのだ。その線が廃線になったとき一緒に地中に埋められた者たちがやがて出てくる。そしたら、ここにいると怖ろしいことになるぞ」と、ぼくは脅かす。

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1月13日の夢(海霧の妖精)

 北海道の海岸。波打ち際をぼくは何かの乗り物に乗って、左から右に動いてきた。そして陸に向かって今度は少し波打ち際から離れるように動き、そこで静止する。遠浅なのに、砂浜は40度くらいの急斜面になっている。もし自動車だったらハンドブレーキが利かずに滑り落ちてしまうのではないだろうか。ぼくは急に不安を覚えて、振り返って足下を見る。すると、ぼくは車に乗っているわけではなく、折り畳み式の座椅子のようなものに乗っているのだと分かる。一体誰がぼくをここまで運んできてくれたのだろう? 
 波間からはもくもくと白い霧のようなものが盛んに立ち上っている。その霧が凝結して、真っ白なヤギが波間に現れる。つぶらな瞳がかわいらしく、ぼくはヤギとすぐ仲良しになる。いつのまにかヤギのかわりに、そこには白い妖精のような少女がいて、ぼくに「どこまでも付いていくわ」と言う。

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1月12日の夢(超内股から超ガニ股へ)

 会社が原宿のモダンなカフェバーの中に移転した。とてもかっこいい。隣の建物は日本語学校で、その隣はインターナショナルスクール。この二つの学校は経営者が同じらしい。日本語学校にはなぜか日本人の中年のおじさんたちも通っていて、彼らがインターナショナルスクールの屋上に上がっている。経営者が「学校のイメージが悪くなるから、降りるように」と説得している。
 会社から出て、原宿の街を歩く。なぜか右足がつってしまって、一歩踏み出すごとに右足が左足より左側に着地する。超内股で歩いている感じ。手で右足をつかんで持ち上げ、左足より右に着地しようとするが、どうしてもうまくいかない。試しに両足先を両手でつかみ、膝を地面につけて歩いてみると、これは問題なくできる。
 表参道からキャットストリートへ降りる石段で何人もの若い男性が着替えをしている。ぼくはうっかり彼らの脱ぎ捨てたカラフルな上着を踏んでしまう。彼らのガールフレンドが見ている前だったので、かわいそうなことをしたと後悔する。さらに行くと、道いっぱいに青い防水テントの布が敷き詰められていて、その下にも彼らの上着が埋もれているのをまた踏んでしまった。すると、ぼくの超内股だった歩き方は元に戻るが、戻りすぎて今度は超ガニ股になってしまう。

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1月10日の夢(携帯が鳴る)

 携帯が鳴った。ぼくのだけではなく、周りであらゆる人の携帯が鳴っている。とりあえず自分の携帯を取る。「吉田ですが」と女性の声が言う。「こないだ、二人でXXの店で忘れ物をしましたよね」と言う。吉田という女性にも、忘れ物にも心当たりがない。いや、アルツハイマーになって、みんな忘れてしまったのかもしれないと恐怖にかられる。「な、何を忘れたんでしたっけ?」「プレゼント用の包み紙ですよ」「えーと、ぼくは別にそんなもの、忘れたままで構わないんですが・・・」と答える。

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1月9日の夢(タクシーの隠し子)

 久しぶりに詩の賞を受賞した(現実ではありません)。今、夜の7時半だ。そのことを学生時代の詩のサークルの先輩である大谷氏にこれから報告に行こうと思う。ここは名古屋で、大谷氏は多治見に住んでいる(実際の大谷氏は前橋の住人)ので、今からタクシーに乗れば8時には彼の家に着くだろう。玄関で5分間ほど立ち話をして、それから家に戻ればいい。
 しかし、タクシーはいつまで経っても名古屋市内を走っている。運転手は「疲れたので一休みしたい」と言うと、いきなりスピードを落とし、ぼくを助手席に乗せたまま、ドアを開けて道路に飛び降りてしまう。うわっ。ぼくはハンドルを握って、完全にタクシーが停車するまでブレーキを踏むが、タクシーは路肩を踏み越して、脱輪してしまった。だが、幸いすぐに道路に戻れた。
 はっと気がつくと、いつのまにか知らない男の子が後部座席に乗り込んでいる。「降りなさい」と声をかけると、素直に降りていった。だが、タクシーが走り出すと、車内のあちこちに隠れていた子どもたちが次々に現れる。赤ん坊をおぶった子どもを含め、女の子ばかり6人だ。しかたなくぎゅうぎゅう詰めで多治見を目指す。しかし、8時を回っても、まだ多治見は遠そうだ。
 また、気がつくと、ぼくはいつのまにかタクシーを降りて、道路で子どもの一人と話し込んでいたらしい。そんなぼくにしびれをきらして、タクシーは勝手に走り出す。窓から顔を出した運転手は、今までは男の運転手だったのに、若い女性に変わっている。ぼくはなぜか彼女の名前を知っていて、その名前を叫んで呼び止めようとするが、タクシーはどんどん先へ行ってしまい、姿が見えなくなる。ぼくと子どもは電動車椅子のようなものに乗って、後を追いかける。だが、大きな交差点で四方を見渡しても、タクシーの姿はない。
 ぼくと子どもはしかたなく、テーマパークのようなところへ入る。洞窟があり、洞窟にあいた穴から、ウォーターシュートが見える。若いカップルが別れ話からケンカを始め、女性の方がウォーターシュートのスイッチを入れてしまう。彼女自身を含め、周囲にいた女性たち10人くらいが綱引きのようにロープにつかまったまま、「きゃーっ!」という悲鳴を上げながら、あっという間に坂を滑り落ちて湖の中に引きずり込まれる。彼女たちの消え去ったあとに大きな波が立ち、ざぶんとその波がぼくの足下を濡らす。
 ぼくは連れの子どもを振り返る。それは11,2歳の少女だった。ぼくは彼女の肩を抱き、「本当に愛していたのは、きみだったんだよ。でも、親子としての愛だけどね」と言う。

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1月8日の夢(テレコの暴走)

 しばらく使っていなかったカセットテレコを持ち出して使ってみた。テーブルの上に立てておくと、ちょっと目を離したすきに倒れて、勝手に動き出した。しかも、テレコの上部にAとBの二つのランプがついているのだが、それがめまぐるしくABABABAB・・・と点滅を繰り返している。AとBの二つのステータスの間を往き来しながら暴走しているらしい。いったん電源をオフにして再起動すれば直るかと思い、何度も主電源を切ったり点けたりしてみるが同じだ。でも、実際の取材にはもっと小型のぼくの私用のカセットを持っていくから、こいつは壊れてもいいやと思い直す。

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