11月13日の夢(二重螺旋の階段)

 また会社が引っ越した。Iさんに車で連れて行ってもらう。「どこだったかなあ」と言いながらも、Iさんは車を降りて、ぼくの先に立ち、大きなファッション店の中にどんどん入っていく。新しい会社はこの店の奥にあるのだ。
 出社一日目は引っ越し荷物を運ぶだけで終わってしまった。夕方帰宅しようとしていると、イチローが笑顔で話しかけてくる。「この原稿のコンセプトは・・・」。ぼくはそれに反論するが、彼はもうそれ以上、何も言わない。
 時計を見ると七時だ。会社を出る。裏口から出ると、そこはすぐ街路で、意外に以前の会社の近くだったことが分かる。駅を探して、石段の道を登るが、そこに駅は見当たらず、戻る。
 私鉄のローカルな駅に着いた。ぼくはなぜか車いすに乗っていて、そのまま螺旋階段を降りる。すごい人波だ。おまけに階段の幅がだんだん狭くなっていて、途中でつっかえてしまうのではないかと心配になるが、大丈夫のようだ。どんどんスピードがついて、ぐるぐる目の回る速さで降りていく。下から上って来る螺旋階段もあって、階段は二重になっている。
 改札口に着いた。定期券を買おうか。いや、もうぼくは退職日が迫っているのだから、その必要はないだろう。スイカをかざして通り抜ける。

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