11月3日の夢(ズボンが見つからない)

 一人の女性が主人のガードマンとして指名された。しかし、お米が不足しているからと、稗飯しか食べさせてもらえない。
 長い螺旋階段を降りて、一番下の床に着く。と、螺旋階段は消えて、階段のあったところに、物資がうずたかく積み上げられている。子供たちのために用意された駄菓子の山だ。思わず「懐かしいなあ」と言う。
 詩人の新川和江さんがぼくの新作について「この詩は頭で書いたわね。以前の詩に比べて、実感がこもってないわ」と批評する。ぼくは「いえ。以前の詩の方が頭で書いたんです。以前の詩で頭で書いてしまった部分を、ありのままの本当のことに書き直したのがこの詩なんです」と反論する。新川さんは「あら、そう」と言う。
 若い女性クライアントとバスに乗ってロケに出かける。終わって、またバスで駅に戻ったが、階段の人混みで彼女を見失ってしまった。挨拶しないでこのまま帰るのはまずいと、必死で彼女を捜し回るが、見つからない。ふと気づくと、ぼくはズボンをはいておらず、パンツ姿になっている。そういえばバスに乗るとき、服を替えたのだった。ズボンは駅のクリーニング店に預けたはずと思い出し、今度はそのクリーニング屋を探し回るが、駅は迷路のようで、やっぱり見つからない。

カテゴリー: | 11月3日の夢(ズボンが見つからない) はコメントを受け付けていません

11月2日の夢(3匹の犬)

 ぼくは三匹の大きな犬を飼っている。ぼくは三匹のうち、順番に一匹ずつを連れてコンサートに出かける。そして、ピアニストにその犬に合わせた演奏をしてほしいと頼む。

カテゴリー: | 11月2日の夢(3匹の犬) はコメントを受け付けていません

宇宙ロケットのおしっこ

 ずっと以前に会社を退職した元「P」誌編集長のKさんがいよいよ「本当にいなくなる」ことになったらしい。現編集長のぼくの席の左隣に、一日だけ彼女の席が設けられ、本当に彼女がやってきた。
 印刷所の人が二人挨拶に来社した。慌てて名刺を探すが、ぼくのデスクの引き出しに入っている名刺箱の中の名刺はみんな他人のもので、一枚も自分の名刺が残っていない。「不思議だなあ」と思い、右隣のOさんに名刺を注文してくれるよう頼む。その後で、今まで気づかなかった右の引き出しを開けると、そこにぼくの名刺があった。なあんだ。
 
 夜の道を歩いている。と、夜空を弧を描いて、黄金に輝くライオンが飛んでいく。ぼくの歩いている道を飛び越えて、塀の向こうに降りた。続いてウルトラマンが同じコースで飛んでいくが、道路を飛び越える寸前で落ちてしまい、慌てて塀を乗り越える。カッコワルイ。気がつくと、ぼくの服に草の実のようなトゲがいっぱい刺さっている。濡れたような帯状の痕もある。宇宙技術者がやってきて、ぼくに、それは「宇宙ロケットのおしっこ」といわれるものだと教えてくれる。

カテゴリー: | 宇宙ロケットのおしっこ はコメントを受け付けていません

10月30日の夢(お弁当付き地下鉄)

 お店の入り口に四角い流し台のようなものが置いてある。ぼくはその蛇口をひねって、コップを洗っている。だが、洗っても洗ってもコップはきれいにならず、泡立ったままだ。変だなと思って、周りを見回すと、ほかの人たちも蛇口をひねって、コップを泡で満たしている。それは水道ではなく、ビールの注ぎ口だったのだ。赤面して店の奥に引っ込む。だが、みんなの視線がぼくに突き刺さるように感じる。そういえば前にも同じ失敗をしたことがあった。ああ恥ずかしい。
 名古屋の東山公園の奥の地下鉄の駅のホームにいる。地下鉄と言ってもここは電車が地上を走っているので、駅も地上にある。それにまだ都市開発が進んでいないので、周囲はススキが生い茂り、山また山の地形だ。地下鉄はこの駅が終点なので、入れ替えて別のホームに入線するというので、かなり無理をして高さの違うホームへ乗り移る。見ていると山の間を円を描いているレールを、入れ替えのため地下鉄が走っていく。鼻が超音速ジェット機のように長い超モダンなスタイルをした地下鉄だ。その長い鼻の部分がカクッカクッと上下して、複雑な動きをしながらトンネルに潜ったり、また地上に現れたりする。
 ついにその地下鉄がホームに入ってきた。この地下鉄はお弁当付きで、座席の一つ一つにお弁当が置いてある。既に乗り込んだ乗客もいて、蓋のあいている弁当箱もある。ぼくは入り口近くの席に慌てて座ろうとするが、怖いおじさんに「おれの席だ!」と凄まれる。さらに進むと、小さな男の子と若い母親の向こうの一番奥の席が空いている。「そこ、空いていますか」と尋ねると、二人はにこにこと「空いていますよ」と答える。喜んで腰を下ろしてみたものの、お弁当は男の子が食べてしまったらしく、既になかった。
 気がつくと、ぼくの座席だと思ったのは、四人の人間が折り重なって人間椅子になっているのだった。そのうちの一人の男はもう一人の女に執拗に復縁を迫っている。そして、ほかの二人はぼくに「お恥ずかしいところをお見せして・・・」と詫びる。ぼくは「いいですよ。ぼくは慣れてますから」と答える。
 外は早朝らしく、窓から見える山やススキの原には深い霧が降りている。車内アナウンスが「このあたりは海から○○キロと遠いのに、海の影響で朝には霧がでます」と放送している。と、電車は直角に近いカーブを切って、山の方に進む。そこは砂漠に近い岩山で、風景ががらりと変わってしまう。窓の向こうを趣味の悪い巨大なモニュメントが過ぎる。そして、その隣に「劇団ラブ 詩劇上演記念」という小さな石碑のようなものが置かれているのが、ちらりと目に入る。ぼくは驚愕する。あれはぼくが40年前に、「劇団ラブ」という学生劇団を作って詩劇を上演したとき、確かにその記念にとそこに置いたまま、忘れていたものだ。
(劇団ラブを19歳のときに組織して詩劇を上演したのは事実です。最近、ラジオ詩劇についてのエッセーを書いていて、急にそのことを思い出したのが、夢に現れました)

カテゴリー: | 10月30日の夢(お弁当付き地下鉄) はコメントを受け付けていません

10月28日の夢(ゴールドに輝くお弁当)

 夜、会社で残業をするうち、外へふらふらと出てしまう。歩いていくと、歌舞伎座の前に出た。ふらりと入ってしまう。一幕を見た後、休憩になった。たっぷり休憩の時間があると思い、外に夕食を食べに出る。ところが戻ってみると、既に次の幕が始まっており、通常の出入り口からは入場できないので、ここから入るようにと、別のところへ案内される。それは地面にあいたマンホールのような穴。そこから垂直の鉄棒をつたって、降りろという。かなりの高さがあるので、怖い。でも、下で係員が受け止めてくれたので、なんとか無事着地できた。しかも、そこからぼくの席は意外に近く、女性係員の案内ですぐに着席することができた。しかも、歌舞伎座では必ずサービスのお弁当が付くのだそうで、ぼくのお弁当も既に届いていた。大小いくつかの弁当があるので、その大きいのを指して、「これがぼくの?」と尋ねる。だが、係員は一番小さい箱を指して、ぼくの間違いを正してくれた。でも、小さいとはいえ、その弁当箱はゴールドに輝いている! 早速、開けてみると、中身はぼくの大好物のマカロニグラタンだった。早速一口食べてみる。とろけるように美味しい。

カテゴリー: | 10月28日の夢(ゴールドに輝くお弁当) はコメントを受け付けていません

10月27日(オペラ座トイレの夢)

 トイレに行きたくなった。誰もいないがらんとした建物に入り、階段を上がった二階のロビーにうずくまって、大きい方の用を足し始める。和式の便器なので、足を踏ん張ると、どうしてもバランスを崩して、倒れてしまいそうになる。そこですぐ目の前にある壊れかけた雨樋のようなものに額を押し当てて、倒れない工夫をしていると、目の前に若い母親に連れられた幼児の兄妹が現れた。兄の方がぼくを指さし、「こんなところに頭をつけるの、危ないんだよねー」と母親に言う。よけいなお世話だ。無視して用を足し続けると、以前会社でお世話になった人や、一流の音楽ライターの人たちがどやどやと周囲につめかける。どうやら、ここは外国の有名オペラ劇場のロビーらしい。用を足すぼくをはさんで、先輩の女性ライター二人が会話を始めた。これは大変だ。二人に挨拶しなくちゃと、用を足しつつ懸命に顔を二人に振り向け、目線を合わせようとするのだが、どうしてもタイミングが合わず、とても気まずい思いをする。

カテゴリー: | 10月27日(オペラ座トイレの夢) はコメントを受け付けていません

10月26日の夢(電動鋸付き二丁刀)

 博物館の床に発掘された古代の武器がいくつも並べられている。一番左にあるのは、左右に二丁の刀身が並んで、柄の部分で一つにつながった“二丁刀”だ。持ち上げてみると、ズシリと重い。妻に「こんな重い刀が扱えるなんて、昔の人は力があったんだね」と感心して、話しかける。しかし、その刀から手に振動が伝わってくるのは何故だろう? よく見ると、床に置かれた武器はすべて現代の電動工具として使えるよう、改良が施されている。この“二丁刀”にも電動ノコギリが仕込まれているのだった。
 会社で同僚たちにケーキを配っている。一個ずつ配り終えてから、箱を覗くと、まだ幾つかのケーキがある。「ここにいる人にはもう一個ずつありますよ」と言う。Kくんがさっと箱の中に手を突っ込み、ぼくが一番食べたかったケーキをかっさらっていった。しまった。でも、ほかにもおいしそうなケーキがあるぞ。(と舌なめずりしたとたんに目覚ましが鳴って、夢から覚めました)

カテゴリー: | 10月26日の夢(電動鋸付き二丁刀) はコメントを受け付けていません

10月23日の夢(暗い時代)

 自宅にいると、表をざくざくと行進していく若者たちがいる。そのうちの何人かがぼくの家に勝手に上がり込み、「すぐに家を明け渡せ」と言う。形だけの抗議をするが冷然と無視される。暗い時代がまたやってきたのだ。家の外に追い出されたぼくは、群衆に混じって、やけくそになって叫ぶ。「こうやって叫んでも、やっぱり出ていかなきゃいけないのか? テンノウヘイカバンザーイ!」
 ぼくは傘一つを持ってあてもなく歩いていく。傘一つがあるだけでも幸せだ。途中、木組みの櫓のてっぺんのような場所に出てしまった。前に若者たちがたむろしていて、進めない。飛び降りようかと思って、下を見るがちょっとそれには高すぎるようだ。必死で木組みを手でつかみながら、降りてみる。すると思ったほどの高さではなく、危険もなく簡単に降りることができた。また地上を前進していく。豪雨が降っている。いつのまにかあの傘はどこかへ置き忘れてきてしまった。ポケットからタオルを取りだし、頭にのせる。これだけでも雨を防ぐことができる。タオル一枚の有り難みをしみじみ感じる。

カテゴリー: | 1件のコメント

10月22日の夢(殺意)

 忌野清志郎が井上陽水の「私の心は夏もよう」という歌(そんな歌ありましたっけ?)をピアノの弾き語りで歌っているのをラジオで聴いている。あるところはシャウトし、あるところは感情をたっぷりこめて、聴かせる。とても素晴らしいボーカルで、これはきっと何度かテイク録ったものを編集したのに違いないと思う。聴いているうちに、ぼくは感極まって泣き始める。しかし、涙は流れない。
 部屋で妻と二人で書き物をしていると、ドアが突然開き、吹いてきた風で書類が飛ばされる。外を通りがかった男がそれを拾ってくれる。しかし、それを無視してぼくらが仕事を続けたため、怒った男はいきなり包丁を取りだして、ぼくに襲いかかり、殺意をあらわにする。ぼくはその包丁を取り上げ、何回か彼に対して突き刺す真似をするうち、本当に彼を刺してしまう。そうなると、もう止まらない。ぼくは「こうしてやった方が楽だろう」とうそぶきながら、男の頸動脈に包丁をぶすぶすと突き立て、切り裂く。彼が断末魔のあえぎをもらすのが、手に感じられる。だが、傷口から血は一滴も流れない。

カテゴリー: | 10月22日の夢(殺意) はコメントを受け付けていません

10月19日の夢(ヤクザな会社)

 ぼくはまだ若い新入社員である。夜の仕事に出かける前、小腹を満たそうと駅前に止まっているバスを改造したバーに寄る。運転席に座っているバーテンに「チーズとかのつまみがあったら、譲ってください」と声をかける。バスの座席そのままの客席には、若い女性客二人が座り、それぞれ孤独に晩酌をしている。バーテンは運転手そっくりの制服を着て、ハンドルを握ったまま、にこりともしないで「セブンイレブンででも買いな」と言う。なるほどそれもそうだなと、あっさり引き下がる。
 仕事場は駅前のプレハブだ。そこでこれからオークションを行うのだ。これから始めようというところで、社長が突然ヤクザのような口調でヨタり始める。今まで紳士的な社長だったのに、本当はこんなキャラだったのかと、ぼくはおびえる。しかし、それは会場にたまたま前から居座っていた無関係の人々を追い払うための演技だったらしい。ほっとして見守るうちに、いよいよオークションが始まった。しかし、意外に客が少ない。オークションの音頭をとっていた若い先輩社員が、ぼくに「会社へ行って、××(何だったか忘れた)を持ってこい」と、ぼくに命令する。「会社へ戻ったら、一色さん
が『社員に給料を払うとすぐ辞めてしまうから、払うな』と言っていたと言え」と、凄みをきかせて言う。ぼくは思わずドギマギして、「えっ、ぼくが?」と問い返す。すると、彼はそれまでのコワモテの表情をやわらげ、「ああ、俺は何を言ってるんだ」と取り繕うが、ぼくは彼はわざと言い間違えたに違いないと思う。この会社はもともと社員に給料を払うつもりなどなく、ただ働きをさせて、お払い箱にするつもりだったのだ。

カテゴリー: | 10月19日の夢(ヤクザな会社) はコメントを受け付けていません