12月6日の夢(毎日が文化祭)

 期末テストが終わったので、もう教室には教師たちもやってこない。生徒たちは各教室から机や椅子を取り去り、自由に木材や紙を使って自分たちの作品を制作中。まるで毎日が文化祭だ。ぼくのクラスは廊下の右側に並ぶ教室の奥から二番目のはずだが、そこもペンキを塗られた製作途中の作品で足の踏み場もない。
 しかたなく校外に出る。雨の中、運河沿いの道を傘を差して歩いていると、足元に毛虫のようなものが落ちている。いや、よく見ると、それは練り出された茶色の絵の具の一滴なのかもしれない。気づくと、ぼくの手の甲にもそれがくっついている。うえっ、汚い! と思い、急いで拭い取ろうとするが、傘を差しているのでなかなか拭き取れない。
 教室に戻る。三人掛けの長いデスクの真ん中の席に座り、カードケースを開けて、詩人のN氏に電話しようとする。ケースの中の名刺のようなカードを指で押すだけで自動的に電話がつながるのだ。隣に座った女生徒が「ねえ、Nさんって威張っているの?」と訊く。ぼくは「うーん、そうだよ」と生返事をしながら、N氏のカードを探し続けるが、どうしても見つからない。

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