11月2日の夢(小さな球)

 小さな店構えのしゃれたお店で小物を買った。その店の前にテーブルと椅子を出して商売している女性がいる。これがこの店のオーナーなのだという。彼女のテーブルが隣の店の前まではみ出しているので、変だなと思ったら、このあたり一帯のお店はすべて彼女の経営するものだという。
 ぼーっとしていたら、女性店員が「これ、お客様のボールペン」と言って、青いボールペンを渡してくれた。自分のものでない気がするが、受け取る。ぼくがまだぼーっとそこに立っているので、店員とオーナーはちょっと不審そうな顔。ぼくはすでに買った商品を受け取っていたのに、あまりにそれが小さすぎて気がつかなかったのだ。
 急いで店を出ると、外は真っ暗な夜で、おまけにそこは足場の悪い山道だ。ぼくは買ったばかりの商品を落としてしまう。買ったのは二つの小さな球である。慌てて手探りでそれを拾い上げる。
 帰宅して、球を台所にしまおうとして、また冷蔵庫の前で落としてしまった。それを拾い上げたところで、はっと気がつく。
 明日は会社の演劇祭で、ぼくも端役をもらっていたのに、全く台本を読んでいない上、それを会社に忘れてきてしまったのだ。さっきのお店で、忘れないようにとノートの表紙に大きく「台本」と書いておいたのに、なんとしたことだ。明日は文化の日で休日なので、ぼくが当然休みだと思っていた妻は、ぼくが明日演劇祭で出社すると聞いて、「なにー?!」と言う。

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