名まえのない土地

洪水が引いた後、海のそばの会社で後片付けをしている。もう夜遅い。このまま今日は帰れないだろう。いや、明日も明後日も帰れないだろう。女性詩人Iから手紙が届いた。手紙には恨みの思いが書き綴られている。だが怨んでいるのは、Iだけではない。ここは昔、ちゃんとした名前を持つ土地だったのだが、今会社のある建物を造るために、その土地もろとも名前も奪われたのだ。洪水の後、あちこちにサインのような落書きのあとが露出している。これは、名前を奪われた人たちが、その名を記念するために書き残していったのだ。だが、その大事な土地もこの洪水で永遠に消え失せてしまったのだ。Iの悲しみ、人々の悲しみがぼくには分かる。(そのまま夢の中で大泣きしました)

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名まえのない土地 への2件のフィードバック

  1. 伊藤浩子 のコメント:

    名まえを奪われた土地、洪水のひいたあとの土地って、興味あります。
    意外にすがすがしくて、清らかかもしれないですね。

  2. 一色真理 のコメント:

    最近「洪水の後」の夢をよく見ます。夢日記を書き始めた頃は、津波や洪水が襲ってきて呑み込まれる夢ばかり見ていましたが、最近は全く見ません。年とったせいでしょうか。

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