6月15日の夢(豪華客船)

 南の海を行く豪華客船に妻と乗って、いろいろなアトラクションを見物している。映画のさまざまなシーンを順を追って、ジオラマで再現しているものがある。登場人物が奇怪な水棲生物に変身するホラー映画だ。鏡が激しい音を立てて割れるシーンでは、ぼくら夫婦はジオラマのすぐ前で立って見ていたのだが、背後の客席で座っていた人々のところには、バーン!という大きな音と共に頭上から鏡の破片に見立てた金属片が降り注ぎ、観客から「おおーっ!」と嘆声が上がる。これは面白い。この映画の関連グッズを沢山買い込んでしまいそうだなと思う。
 アトラクションが終わり、一人トイレへ行く。なぜか裸足だ。ぼくの前に身体障害者の女性が車椅子のまま介助されながら便器のところへ行く。ぼくもその後からあいている便器のところへ行くが、便器の周りがひどく汚れて水たまりになっていて、とても裸足では近づけず、トイレをあきらめて外に出る。
 そこは乗客が立ち入りを禁止されている前部甲板だ。船体の縁はごつごつした丸石のつらなりでできていて、それが少しずつ下がりながら、無限の階層となって沖まで続き、沖へ行くほど少しずつスピードが速くなっている。これでは一体どこからが船で、どこからが海で、さらにどこからが空なのかも分からない。怖いので、足早にそこを立ち去る。

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