12月16日の夢(床屋の下宿人)

 床屋に下宿している。散髪場の片隅で洗顔をしていると、椅子に座って髪をカットしてもらっていた中年の男の客(詩と思想研究会で問題を起こしたHに似ている)が、散髪をしている助手の女性にセクハラ的な暴言を吐いている。だが、彼女も床屋の女主人も毅然とした態度をとりつつ、仕事の手をやすめずに、男をなだめる。ぼくは顔を洗いながら、ちらちらとそちらをうかがう。もし、これ以上トラブルになったら、男であるぼくが仲裁をしなくてはいけない。とはいえ、男がもしピストルを持っていたりしたら、その場でぼくは撃ち殺されてしまうかもしれないと、恐怖も覚える。
 やっと顔を洗い終わって、向き直ると、いつのまにか男は姿を消していた。ぼくは自分の濡れタオルを手にして、「これは二階の物干しに干せばいいの?」と尋ねる。だが、女主人に「そんなものはそこに干せばいいよ」と、散髪場の片隅を簡単に指さされ、拍子抜けをする。

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