ズボンをなくす

 追われている。ナチかアメリカか、侵略者か。大きな建物の中の、水たまりか池のようなところを、初老の男女数人といっしょに、向こう岸へ渡ろうとする。みんな疲れて、難民のような感じ。飛び石のように、石が水面から突き出ているのを、つたっていくが、ぐらぐらしていて、とても不安定だ。今にも水面に落ちてしまいそうな不安に襲われる。なんとか渡りきり、ほっとして足元を見ると、なんとぼくはズボンをはいていない。武装した女性兵士に「ズボンを向こうに置いてきてしまいました。取りに戻ってもよいでしょうか」と訴える。彼女は意外にやさしく、ぼくと同行してくれるという。今度は兵士といっしょなので、池を渡らず、大回りして元いた場所に戻る。しかし、ぼくのズボンは見当たらない。

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