8月27日の夢(三本の氷)

 コンクリート打ちっぱなしの大きな建物の二階にいる。ここは大学で、今は学園祭のはずだが、机も椅子もなく、ぼくの荷物は床に置かれている。入り口の方で人声がするので行ってみると、S社の専務だったM氏が笑みをたたえて立っている。あれ? M氏は亡くなったはずなのに、随分若くて元気だなと驚く。彼は柱状の氷を三本持っており、その二つは大きく、一つは小さい。金星軌道あたりの宇宙空間に漂っていた彗星の氷だという。小さい方の氷を受け取り、元の場所に戻る。この氷の成分を分析すれば、今ぼくを悩ませている問題の答えが分かるはずだ。
 もう夕方なので、荷物を取り上げて帰ることにする。学園祭で支給された帽子や靴でそのまま帰宅してよいということなので大助かりだ。途中で、一階上のフロアにいる知人たちから「劇団をなぜ辞めたのか」と詰問される。しかたなく彼らのもとへ行って、事情を説明するが分かってもらえないようだ。外に出て、電車に乗る。すると黒い学生服の恐ろしそうな男が乗り込んできて、「おまえは去年、なぜ先輩たちを置いて逃げたのか」と凄んでくる。ぼくは精一杯虚勢を張って、「それは誤解だよ。第一、ぼくは去年は最高学年だったんだ。ぼくより先輩なんかいるはずないじゃないか」と言い張りながら、急いでその場から逃げる。

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