8月10日の夢(喫煙禁止)

 会社で執務していて、ふと顔を上げる。広いオフィスの中ほどに円卓があり、休憩所になっている。そこでもくもくと煙草をふかしている男たちがいる。ぼくは激怒してデスクから立ち上がり、怒りにふるえながら彼らに近づき、言い放つ。「この部屋は禁煙です」。喉がからからになるが、「みんなで決めたんです」と、やっと言う。
 席に戻ろうとすると、部屋の入口の床で誰かの喫みさしの葉巻が煙を立てている。「誰がこんなことをしたんだろう……」と呟きながら、拾い上げる。「あっちっちっ……」と言いながら、つまんで洗面所のシンクに捨てる。
 レストランに行く。中二階もあってとても広い。一階席からも二階席からも煙草の煙がもくもくと上がっている。一階席の喫煙客に「ぼくは心臓が弱いんです。煙草の煙を吸うだけで、脈が乱れるんです」と叫ぶ。
 レストランの隅のテーブルでカレーライスを食べていると、三十代ぐらいの科学者らしい女性が近寄ってきて、いきなりぼくのカレーの皿に話しかける。「まあ、大きくなって! すっかりかわいくなったわねえ!」 驚いてカレーの皿をよく見ると、ガガンボのような細い虫がご飯の上に乗っている。ぼくは驚くが、女性に調子を合わせて、「ほんとだ。目がきれいですね」と虫にお世辞を言う。だが女性が向こうへ行ってしまうと、気持ちが悪いので、その虫をつまんで捨てる。

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