2月26日の夢(新しい道)

 以前勤めていたS社のオフィスにいる。ぼく以外は皆忙しそうだ。ほとんど仕事のないぼくは社内をうろついていて、うっかりスチール棚に触れてしまう。とたんに上の二段に置いてあった荷物がどっとぼくの方に崩れてくる。懸命に腕を差し出してこらえると、なんとか荷物の総崩れは起こらずにすんだ。ふと見るとフロアの一番奥で今一番人気だという有名な洋菓子店がワゴン販売をしている。業界人としてぜひ勉強のために見ておきたい。そばへ行って、じっと観察する。
 自分のデスクに戻ると、優秀な後輩たちがぼくのデスクの上に、見知らぬ最新機器を置いたまま立ち話しているので、自分の席に座ることもできない。ぼくはもう用無しなのだから帰りたいと思うが、定時にすぐ退社するのは気がひけて、しばらくまた社内をうろうろする。
 帰路につき、流しのタクシーをひろう。行き先を告げてから、「しまった。この道はずっと先まで行かなければ、右側を並走する鉄道を横切ることができないのだった」と気がつき、後悔する。だが運転手は「ここから線路を渡れますよね」と言って右にカーブを切る。本当だ。まだ舗装も完全ではない道がくねくねと続いていて、簡単に線路の反対側に出られそうだ。新しい道がいつのまにか開かれていたのだ。タクシーはその道をぐんぐん進んでいく。

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