1月25日の夢(退職日間近)

 会社で働いている。散らかった編集室には三つのデスクが並んでおり、ぼくが真ん中。左側には早稲田詩人会で後輩だったNくん、右には新入社員だがその割には齢をくった男性が座っている。お昼になったので、ぼくは弁当と缶ビールを取り出して飲む。そういえば八月末で退職すると上司には伝えたものの、退職届をまだ出していないことに気づき、書類を貰いに三階の経理部に行こうとする。だが、皆が忙しそうに働いているフロアのどこを探してもエレベーターが見つからず、階段を昇ることにする。
 戻ってきてふと見ると、ぼくの飲みかけのビールがゴミの散らかった床に置いてある。ぼくが八月末に退職するとしたら、今しかかりの仕事をどう引き継げばよいのだろう? 今編集中のミュージック・ダイアリーの仕事は慣れない人にはできそうにない。ぼくがフリーになっても、引き続き担当する方がいいだろう。そのとき部屋中に鳥の鳴き声のような甲高い音が何回か響き渡る。何だろう?と思っていると、壁に貼られた多角形の色紙だと思ったものが、三匹の蝙蝠になって部屋中を飛び回る。羽の鱗粉が紙細工の雪のようにぼくの顔にもふりかかる。蝙蝠たちはひとしきり部屋の中で暴れた後、窓から外に飛び去る。

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