10月24日の夢(偽記者)

 町田の大きなホールへ取材に行く。いや、ぼくはとっくにライターを辞めているのだけれど、みんなはぼくが以前のように、記者として取材に来たと思い込んでくれるだろう。けれど、町田のホームは長く、ホールは反対側にあるから、長い距離をぼくは歩かなければならない。おまけに途中にはよじ登るような険しい階段がある。
 ようやくホールにたどり着き、いかにも現役の記者のような顔をして、スタッフや出演者に声をかけて回る。もしぼくの顔を知っている人がいると、偽記者であることがばれてしまうので、駆け足で通り過ぎる。スポンサーの紳士たちが話しかけてきたので、いかにも記者らしく質問したりしてあしらう。うまくいったが、招待状を持っているわけではないので、観客席に入るわけにはいかない。名残惜しいが、会場を後にする。ホールの壁はガラスなので、外から中の様子が見える。今日の演目は障碍者たちによる演劇であるらしい。

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