1月7日の夢(父に会う)

 故郷である名古屋にいる。ぼくは坂の上から見下ろしている。まだ若いぼくの父が坂を下りていくところだ。ぼくのためにタクシーを止めようとしているのだ。だが、下りていくうちに、ぼくは父を見失う。しかたなくぼくはバスで行くことにする。ちょうどバスがやってきた。バス停は交差点を渡って、100m進んだところだという。赤信号になりかけた交差点を走って渡るぼくを、お巡りさんが何も言わずに見ている。バス停でバスを待つ行列に並ぶと、乗客たちが「あっ、一色さんだ。一色さんだ」と声を上げる。
 クリニックを映した番組をテレビで放映している。みんなに「ほら、見てごらん。モデルになってる患者はぼくだよ。頭に開頭手術をしたように見せかけているから、ぼくじゃないみたいに見えるけど」と自慢する。若いナースがぼくを探している。「癌の薬だから、癌の薬だから……」という鼻歌をうたって、楽しそうだ。もしかして、ぼくは癌なのだろうかと思いながら、彼女から見えない別室で、ぼくは間違えないよう確認しながら、薬を飲む。

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