7月25日の夢(退行する世界)

 何かを頑張ってやればやるほど凡庸になってしまう世界にいる。ぼくが暮らしているマンションは一つの部屋にあと二人男がいる。そして、両側にいくつも部屋があり、どちら側も二つ部屋を越えると、そこがトイレ兼会議室になっている。ぼくはトイレに行きたいのだが、どちら側のトイレも中で話し声がして、「今会議中だから駄目だ」と言われる。しかたなく元の部屋に戻る。
 外出する。外の世界もどんどん退化している。地平線まで見渡す限り荒れ野になっていて、電車の線路が続いている。もう電車も走っていないのではないかと思ったが、走っていた。ぼろぼろの駅にぼろぼろの電車が停車するのを、ぼくは小さな女の子と見守る。
 部屋に戻る。ますますすべてが退化している。空腹を覚える。そういえばさっきポケットにお菓子を二つ入れたのだった。取り出してみるが、一つは星型、一つは多角形のパウンドケーキはむきだしのままポケットに突っ込んであったから、汚くて食べられない。しかたなくゴミ箱に捨てる。女性詩人のWさんが一生懸命誌を書いたのに、凡庸な作品になってしまったと嘆いている。この世界では努力すればするほど、駄目になってしまうのだ。けっして彼女のせいではないのに。

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