8月28日の夢(床しかない電車)

 年をとって、とうとう足が悪くなってしまった。駅の階段をやっとの思いで、昇っていく。特に左足がしびれたように、感覚がない。
 ホームの先端の方で待っていると、ぼくの待つ電車と逆方向の電車が、ホームのずっと中ほどにしか停車しないのが見える。ぼくの待っている側の電車はさらに中ほどにしか停車しないはずだ。慌ててホームの反対側に向けて走る。ところが、勢い余って行き過ぎてしまい、今度は反対側の先端から駅の外に出てしまう。いつのまにか道路をガード下まで来てしまった。そこへちょうど乗るべき電車がホームに着いたのが見えたので、慌ててホームに戻り、電車に駆け込む。
 電車は細長いカヌーのような形をしていて、壁も天井もない。一番先頭に乗ったので、流線型をした全く平面で手すりもない床に座ると、両端から足が外に出てしまう。そこに必死にしがみついているが、左足の感覚がないので踏ん張れず、振り落とされそうでとても怖い。ぼくのすぐ後ろには若いカップルがいて、「俺の乗りたいところに乗られてしまったので、おまえ場所を交替して」と女の子に頼んでいる。ぼくが乗らなければ、先頭に座るつもりだったのだろう。
 突然、駅ではないところで、電車が急停車した。そこは沿線にある、乳製品を作る大きな工場だ。今日はここで特別のイベントがあり、電車が特別停車して、乳製品作りを実地に体験させてくれるらしい。敷地内でイベントに参加している子どもたちが一斉に声を合わせて歌をうたう。なんだかラジオのジングルのような歌だ。
 その間に、頭に帽子をかぶり、制服に身を固めた女子工員が電車に近づいてきて、プラスチックのコップにヨーグルトみたいなものを乗客に渡し、製品づくりを体験するように勧める。ぼくの前で最初に受け取った男は、工員の説明をよく聞かずに、大きなスプーン(杓子のような感じ)でヨーグルトをすくいあげ、そのままばしゃっとコップに入れる。そうじゃなくて、ストローの中に入れてから、コップの中に入れなくちゃいけないのだ。自分の番になり、ぼくは注意深くストローの中にヨーグルトを注ぎ込もうとするが、ストローの口はあまりに細くて、殆どがやっぱり外へこぼれてしまった。そのセットを後ろにいたカップルの男に渡すと、男はうれしそうにそれを受け取る。

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