5月11日の夢(スーツケース)

 老詩人のM氏と中東の国に仕事の旅に出た。ホテルに投宿し、M氏の大きなスーツケースを開けて、書類を取りだし、二人で静かに仕事を始めた。そのとき、ぼくはぼく自身のスーツケースをホテルの外に置き忘れてきたことに気がついた。これはやばい。
 外に出てみると、置いた場所には案の定、スーツケースは影も形もない。けれど、「なくした」という不安感のようなものはない。ホテルのフロントにはアラビア風の白い民族衣装を着た男が座っている。ぼくは落ち着いた声で彼に「Where is my baggage?」と尋ねる。男は「知らない」と答える。
 だが、しばらくするとぼくのスーツケースは自然に見つかった。それを開けて仕事をする。中からは新しいアイデアや仕事につながる資料が次々に出てきて、仕事はどんどんはかどる。

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