二日分の夢(空飛ぶリアカーとビートルズの写真)

(2月12日の夢)
 現実とは違う別の世界にぼくのもう一軒の自宅がある。そこに夜、帰宅した。昔の日本家屋のように、玄関には板敷きの上がり框がある。部屋が真の闇なので、そこにあるいくつかのスイッチを押してみるが、全く電気が点かない。ぼくは暗闇が怖ろしく、お化けがひそんでいるようで、怖くて怖くてたまらない。
 気がつくと、突然、朝になっている。同じ部屋の中だが、明るいので少しも怖くない。ここにある荷物をいくつか持って、現実の世界へ死んだ母といっしょに帰ろうと思う。黒いカバンを手にとるが、いつの間に破れたのか、布が裂けて穴があいている。部屋には分厚い札束が無造作に投げ出してある。ぼくはそこから少しだけお金を抜き、あとの札束はそのままそこに残す。
 リアカーのような乗り物に乗って、ぼくらは空を飛んでいく。ほかに少年や男が同乗している。みんな黒いリュックサックを背負っていて、その中に飛行装置が入っている。この空飛ぶリアカーを操縦していた人が、途中で降りることになり、別の乗客が操縦法を習う。そんな俄か操縦士で大丈夫だろうか。
 再び、空飛ぶリアカーは舞い上がり、壮麗な観光地のような風景の上空を飛ぶ。観光地の坂を登っていく車の上に、顔見知りの店長がいるのが見える。
 空飛ぶリアカーは銀座に到着した。低空飛行で銀座の店の壁を次々と突き倒しながら、その店内を飛行する。一人の女性詩人が出てきて、そんなぼくらに文句を言う。ぼくは「どうせいいじゃないか。ぼくらはもう既に死んでいるのだから」と答える。
(2月13日の夢)
 女友達と共にビートルズを訪ねて、いっしょに撮った写真を、ぼくのブログに掲載していいという許可が、ポール・マッカートニーから届いた。なんでもないことのようだが、これは凄いことだと思う。しかし、あの写真を撮ったのは、もう30年以上も昔のことだ。

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