7月4日の悪夢

ひどい悪夢を見ました。
 クライアントである某大企業の宣伝部に、詩人のN氏と二人で出かけて仕事をしている。窓から海辺で、カメラマンで芥川賞作家のS氏と、会社の同僚のM氏とが表紙用のモデル撮影をしている情景が見下ろせる。ところが、表紙のほかに裏表紙用の写真も撮らなくてはならないのに、二人は忘れて、帰ってしまった。それを見ていたぼくは慌てて、宣伝部の人たちにそのミスを告げ、急いで携帯で撮影隊を呼び戻そうとする。ところが、携帯は故障してしまったのか、二つある電話帳画面のうち、一方はどこかの結婚式場のリストになっている。また、もう一方は普通の五十音順リストだが、何度検索してもM氏の名前が出てこない。そこへ宣伝部の若いクライアントがやってきて、「まだ連絡がとれないのか。おまえの会社にはほとほと呆れた。今までは上には言わず、こっそり穏便にすましてきたが、もう二度とおまえの会社には行かない」と、ぼくに宣告する。「申し訳ありません」と、ひたすら謝罪する。連絡がとれないまま、同社から出るわけにいかず、昼食もとることができない。携帯は何度やってもつながらず、N氏は逃げてしまったのか、姿がない。さっき、あそこでお弁当を食べようと思っていた大きな椅子に、この会社の社長が悠然と座って、女性社員たちといっしょに食事をしている。ぼくはそれを指をくわえて、眺めている。

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