10月11日の夢(死球)

 気がつくと、ぼくの隣にSくんが座った。Sくんはこないだいざこざがあって、精神的にバランスを崩して職場を辞めた同僚だ。イアホンでラジオの高校野球中継を聴いている。今まで負けていたチームが逆転したらしく、「逆転だ!」と叫ぶ。
 「○高校のピッチャーはボールをすぐに返球するが、相手高校の投手はなかなか返さない」と言う。どうやら、ボールが当たって死んでしまった選手がグラウンドに放置されているらしい。「そのため、ボールがその死体に当たると、ボールも死んでしまうんだ」と、ぼくに解説してくれる。

カテゴリー: | 10月11日の夢(死球) はコメントを受け付けていません

10月10日の夢(試写室)

 映画の試写会の取材に行く。夏なのでTシャツ一枚で行ったが、「中は冷房が効いているので、コートを着ていった方がいいですよ」とMカメラマンが忠告してくれる。そういう彼も黒のオーバーコートを着ている。ぼくも道ばたに放り出してあった秋用のコートを羽織ることにした。
 試写が始まるまで、ぼくらは街角のケーキ屋さんの喫茶室にいたのだが、試写室はそこから道路を何本も隔てたところにあり、かなり遠い。歩き出したところで、ぼくはMカメラマンから受け取った、上がりのCD-Rを入れた封筒をケーキ屋さんに忘れてきたことに気づいた。慌てて二人で取りに戻るが、Mは途中で引き返して試写室に向かい、ぼくだけが戻ることにした。
 戻ってみると、既にドアは半分閉ざされ、閉店している様子なのに、内部は人でいっぱいだった。そこへのこのこ入ったぼくは侵入者と勘違いされ、女店員に「何ですか」と厳しく問いつめられてしまった。事情を話して店内を捜索するが見つからない。
 しかたなく、試写室に戻って試写を見るが、途中の休憩で抜け出して、街へ出る。ここはどこかの観光地で田舎町という感じがぴったりだ。お店に入って、この街のタウン情報誌を手にとって眺める。ちょうど街の情報記事のページがあったので、びりびり破り取って資料にする。仲間の記者から、そういう取材の方法があると教えてもらったのだ。
 さて、お店を出たものの、知らない街を歩いて、先ほどの試写室にちゃんと戻れるかどうか不安になる。おまけに大雪が降ったあと、それが溶けたところなのだろうか。舗装されていない砂利道は真ん中が深く陥没していて、とても歩きにくい。
 無事、試写室に戻ることができた。まだ休憩時間だが、ぼくの出ていた間にいい席は各社のカメラマンたちにすっかり占拠されてしまい、ぼくの座る場所がない。観客席は外・中・内と3つのエリアに分かれている。「中」は普通の試写室にある観客席。「外」はそこから壁一つ隔てた外側の部屋。「内」はスクリーンよりさらに内側である。そんなところに座っている人もあるが、はたしてスクリーンの内側で映画が見られるものだろうか。ぼくは「外」のエリアの一番外側の壁際に荷物を置き、そこに席をとる。「外」のエリアには詩人の吉増剛造さんもいて、ぼくとちらっと目が合った。

カテゴリー: | 10月10日の夢(試写室) はコメントを受け付けていません

10月9日の夢(仕切のない家)

 30年以上も前に死んだ祖母がぼくの自宅に同居している。転居した記憶はないのに、ぼくの自宅はとても大きなしゃれた一軒家になっている。どことなく間取りが昔住んでいた名古屋の実家と似ているが、大きく異なるのは部屋と部屋の間にドアや固定した仕切がなく、すべて空間がつながっていることだ。また、どの部屋にも天井まで届く沢山の背の高い棚が置かれている。その棚にぼくと祖母は古い壺や、古くて干からびたパンを、いくつも飾りに置いていく。こうした飾りがあるだけで、来客があったとき我が家がとても格好良く見えると思う。ぼくの部屋とキッチンの間は白いレースのカーテンで仕切られているが、そのカーテンが全開で、ぼくの部屋は丸見えになっている。これでは格好悪い。カーテンを閉めると、とても格好良くなった。

カテゴリー: | 10月9日の夢(仕切のない家) はコメントを受け付けていません

10月8日の夢(机を緑に塗る)

 会社で夜、残業をしている。3列に机が並べられていて、ぼくは2列目だ。2列目には2つしか机がなく、左側はOさんの席。右側がぼくだ。ぼくは自分の木製の机の表面に緑色のクレパスを塗っている。さらにOさんの机もクレパスで緑色に塗り始めるが、ふと気がつくとOさんの机は緑色のほかに黒など別の色が混じってしまっている。びっくりして、クレパスをよくよく見ると、それは自分の机を塗った緑のクレパスより幾分太い、別のクレパスだった。これは4色クレパスというもので、最初は緑色だが、使うにしたがって中から別の色が出てくる仕組みになっているのだ。机を緑色に塗るだけでも問題なのに、4色にしてしまうなんて・・・と後悔するが、今さら後戻りはできない。ぼくは自信を持っているふりをして、どんどんクレパスを塗り続ける。それを見て、Oさんが「いやだなあ」と感想をもらす。ぼくはとてもショックを受けるが、そのまま塗るのをやめない。
 ところが、Oさんの机にかまけている間に、ふと気づくと自分の机がなくなっている。会社中を探し回るが、見つからない。その内、Oさんの机もなくなってしまった。どやどやと外注のクリエイターたちがやってきた。皆、貧乏そうな服装で、暗い顔をして、ぼくを見る。彼らといっしょに他の社員たちもみんなどこかへ行ってしまった。ぼくは社長に窮状を訴えようと、玄関にある仕切のドアをトントンと叩くが、中には誰もいない。そこへMくんがやってきて、「これからクライアントにプレゼンをするので、その素材を載せるために机をお借りしたんですが、まずいですか?」と言う。明日までに仕上げなければならない仕事が机の引き出しに入っている。まずいに決まっているじゃないか。
 そこで改めて机を取り戻しに、みんなで外へ出て、山道を下っていく。道なき道という感じで、藪を踏み分けていくのだが、地面にはムカデをはじめとして沢山の大型の毒虫が這いずっている。みんなは靴をはいているが、ぼくだけは裸足なので、刺されないかと心配だが、どんどん進んでいく。「靴も机の中に入れておいたので、ぼくだけ靴がないんだ」と、ぼくは恨めしそうにみんなに言う。やがて、みんなは一軒の荒れ果てた田舎家にたどりつく。そこは食堂である。「ここでしっかり食べていきますか?」とMくんが言う。そう言われると、急に空腹を覚え、思わず「うん」と言いそうになる。しかし、腕時計を見ると、もう9時10分だ。早く帰らないと、家に着くのが10時を過ぎてしまう。とても、こんなところでぐずぐずしていられないと思う。

カテゴリー: | 10月8日の夢(机を緑に塗る) はコメントを受け付けていません

10月6日の夢(左のドア)

 渡してあった原稿を急に変更しなくてはならなくなり、ぼくはどこかの町へ、その変更した原稿を届けに出かける。町の入り口には左右両側に二つのドアがあり、いつもは開かれているのに、今日は左のドアは閉ざされている。そして、右のドアからはぼくの詩集「純粋病」を作ってくれた編集者のO氏が顔を覗かせている。だが、O氏はそのまま引っ込んでドアを閉ざしてしまった。どちらにせよ、ぼくが向かうのは左のドアの方だ。
 閉ざされた左のドアを開けると、中は細い廊下で、何かお祝い事があるのか、老若男女がぎっしりとお出かけ用の服に着飾って、忙しそうに各部屋を出たり入ったりしている。住人たちは全員外国人だ。というより、ここはきっと外国で、ぼくの方が異国から来たよそ者なのだろう。町の住人たちにとって特別な日らしいこんな日に、よそ者のぼくがのこのこ入っていくのは気がひけるが、構わず前進していく。一番奥にあるお店にぼくは原稿を届けに入るが、てっきりいるものと思っていた女主人は不在で、留守番の別の女性にぼくはそれを預ける。

カテゴリー: | 10月6日の夢(左のドア) はコメントを受け付けていません

10月5日の夢(消えた死体と三匹の黒猫)

 岡の上に中年の女性ガイドと何かのツアーで来ている。ぼくの生家のあった名古屋の覚王山の岡を思わせる風景だ。岡の上は雑木林になっているが、ここは広いお屋敷の敷地内らしい。ガイドは以前、目の前にあるお屋敷の池に死体が浮いているのを確かに見たという。でも、彼女が驚いて人を呼びに行き、戻ってきたときには死体は消え失せていたのだという。みんなは「おまえは幻を見たのだ」と言ったが、どうしてもそうは思えないと彼女は言う。
 そんな話をしている間に、屋敷の主人であるこの町にある二軒の大きな薬屋の一つ、ファースト堂の社長が帰ってきて、若い男性の使用人たちの出迎えを受けるのが見える。彼は「ビタミン剤は私の店で扱っているものを飲むべきだ。ライバルであるスピード堂のビタミン剤には毒性のある成分が入っているからね」と、ぼくらに話しかける。使用人たちも口々に主人の意見を支持する。
 皆が去ってしまった後、岡の上にはぼくと妻だけが残る。そのとき、地面に蓋が開いて、隣り合った三つの穴からそっくりの三匹の黒猫が同時に顔を出し、ぼくの顔を見て「みゃあー」と鳴く。その三匹の猫の写真をぼくはある印刷物で見たばかりだったので、思わずギクリとする。三匹はするすると地上に出てくると、ぼくに一通の手紙を渡した。手紙は厚紙でできた台紙に数枚のカーボン紙をはめこんだもので、昔の満州鉄道を舞台にした犯罪にまつわる脅迫状だ。ぼくはそれを妻に読み聴かせるが、読んでいるうちにカーボン紙は消えて、台紙だけが残る。ぼくは、これではぼくが証拠隠滅をしたことになり、ぼく自身が疑われるのではないかと不安になる。だが、気がつくと、カーボン紙は単に台紙から剥がれただけで、ぼくの掌の中に束になって握られていた。

カテゴリー: | 10月5日の夢(消えた死体と三匹の黒猫) はコメントを受け付けていません

3つの短い夢

 二日間、夜のコンサートを聴きに仕事で出かけたので、疲れて今日は演奏の途中で寝てしまいました。ちょっと睡眠不足で、夢をよく覚えていないのですが、そんな中で見た短編夢をいくつか書きます。
(9月22日の古い夢)
 デザイナーのFくんと電車に乗る。座席の端に座っている女性がFくんに問答をしかける。Fくんがうまく答えられないようなので、ぼくは電車の床に座り込み、Fくんにそっと答を教える。ばれないかとひやひやして、顔を上げると、Fくんは男性なのにひらひらした白いレースのスカートをはいていて、それがカーテンのように、ぼくの姿を彼女から隠しているのだ。
(10月3日の夢)
 トイレへ入ろうとして、行列に並ぶ。便器は3つあるらしく、なんとなく3列に男性たちが並んでいる。混んでいるので、一度よそへ行き、出直して来ると、一番手前の列は誰も並んでいない。「しめた! ここに並べば次はぼくだ」と思うが、ドアが開くと、その列はトイレではなく、エレベーターに乗る行列だった。
 しかたなくトイレをあきらめて帰ろうとすると、もう夕方でこのビルは閉館になるという。沢山の係員が一列に並び、片手を挙げて出口の方を指し示している。みんな大急ぎで走って、外へ出る。出たところは公園のような場所だ。
(10月4日の夢)
 妻と食事をしていると、前方左の高い空間に神棚のような所があって、そこに少女がいるのが見える。

カテゴリー: | 3つの短い夢 はコメントを受け付けていません

9月29日の夢(空港など)

 仕事をいろいろ済ませなければならなかったので、ドイツ行きの空港に着いたときはかなり遅れてしまっていた。もう既に「13番」というぼくの受付番号は一度呼ばれてしまったのだが、受付の人はぼくたち夫婦を待っていてくれたらしい。だが、妻の番号が呼ばれた気配がないのはどうしてだろう? 搭乗手続きには保険証が必要だ。カウンターにはアジア系だが、日本人ではない女性の代書屋が座っていて、妻が声をかけると、すぐにぼくの申請カードを作ってくれた。だが、彼女はぼくの書類を最後に仕事場を畳んで、どこかへ行ってしまった。それに、ポケットをいくら探しても妻の保険証が出てこない。「やっぱりぼくは持っていないよ」と言うと、妻は「じゃあ、取ってくる」と言い残して、姿を消した。そのままいつまで経っても帰ってこない。家まで取りに戻ったのだろうか。
 もうこんな会社で仕事をしたくないと思い、ふてくされてぼくは椅子に座っている。部屋に何列も並べられた椅子の最前列の左から二番目の椅子だ。すると、ぼくの目の前の左の壁際に机が持ち出され、頭のはげかかった男が現れて、いきなり講演を始めたので、ぼくは一応態度を改めて、おとなしく講演を聴くことにした。
 その男のアシスタントらしいバニーガールのような若い女性達が、いつのまにか目の前にできたステージの上に出てきて、書類の分厚い束のようなものを、どさりとぼくの前に落とした。ぼくはまた反抗心がわき起こり、椅子を前に動かし、足でその束をポンと蹴る。椅子にはどうやらキャスターがついているらしく、その反動で後ろに戻る。また、椅子を前に出して、束を蹴ると、反動で戻る。繰り返しているうちに、どんどん心が高揚して面白くなる。そのうち、山のようにオフィスに積まれていた書類が、どさどさと崩れてきた。すると、ぼくの隣の一番左端に座っていた若い男が前に出て、書類の山を積み直したりするが、ぼくは書類の束を蹴る動作を繰り返し続ける。

カテゴリー: | 9月29日の夢(空港など) はコメントを受け付けていません

9月27日の夢(王女の結婚と闘犬)

 王女様が結婚することになり、そのお祝いに続々と人々が集まっている。ぼくもそのお祝いを見物に出かけたが、なぜか電話ボックスの中でうたた寝をしてしまった。ふと目を覚ますと、ちょうど「20人までが王宮に直接お祝いに行ける」と放送されているところだった。てっきり長い行列ができていると思ったのに、行列はなく、ぼくが出ていくと、「ちょうどあなたで20人目です」と言われた。
 地下鉄のホームで、王宮へ行く電車を待つ間に身体検査をされる。19人目までは何も問題なかったが、ぼくは携帯などをポケットにいろいろ持っていたため、怪しまれて荷物を全部没収されてしまった。呆然としているうちに、電車が来た。没収された荷物は多分この駅にあるのだから、乗らない方がいいのではないかと迷いながらも、電車に乗ってしまう。荷物の中には急ぎの大切な仕事の材料が入っていたのに、これで全部駄目になるなと思う。そこへ知人がほかの人々と一緒に乗り込んできた。結局、21人目以降の人たちもお祝いに行っていいことになったのだという。ぼくは彼に、荷物がどこに行ったのか分からなくなった窮状を訴える。
 そこへデパートの大きな買い物袋をいっぱいぶらさげた女性が、乗車ドアでなく降車ドアから乗り込んだのに、運転手が腹を立てて文句を言う。だが、女性客は無視する。ぼくは発車に備えて、運転席の近くのつり革につかまる。窓ガラスに汚れがあると思って見ていると、それは天井から吊り下がった何かの虫なのだった。電車が走っていく前方に、犬が三匹現れ、三匹は一斉に後足で立ち上がって見せる。車内の人々はみんな「かわいい!」と叫ぶ。
 次の瞬間、犬たちは向かい合って、互いに相手の顔を噛み合う。これは闘犬なのだ。一匹のやさしい顔をした犬の顔には、相手の犬の牙のあとの深い穴が三つもあき、その穴の底には血がにじんでいるのが見える。この犬は負けたのだ。

カテゴリー: | 9月27日の夢(王女の結婚と闘犬) はコメントを受け付けていません

9月25日の夢(職場)

 これは昨日の夢です。
(夢ここから)
 「詩の大学」で2時間講義をした。
 会社で、ぼくの仕事場が2階に変わった。だが、デスクの方はあいかわらず1階にあり、そのデスクにぼくは座っている。背後にはスチールの大きな棚がある。そこに何かのチケットの束を両手で抱えて置く。デスクの上にはデジカメがある。ぼくはまだデジカメを使ったことがないが、これならぼくにも使えるかもしれないと思う。手帖に今日やったことをメモする。ページの左端には時刻が印刷されているので、左右に線を何本か引いて、この間の時間は何をしたと書き込みたいのだが、その線が思ったように引けず、時間がずれてしまい、うまく書き込めない。今日はもう仕事がないので、帰ろうかと思うが、やはりこのまま終業までいた方がよいと思い直す。

カテゴリー: | 9月25日の夢(職場) はコメントを受け付けていません