5月9日の夢(親切な男には気をつけろ)

 自分の薬のデータを収めたCD-ROMのコピーをしたいと病院のロビーをうろうろしている。ロビーにぽつんと置かれたデスクに座った男性職員がいたので、「これをコピーしていただけませんか」と声をかけてみる。意外にあっさりと「いいですよ」と引き受けてくれた。終わると「ROMのラベルのカラーは何色にしましょうか」と言うので「青色でお願いします」と答える。すると「青色は間違えやすいです。黄色にしておきますよ」と親切に黄色のラベルまで貼ったROMのケースを渡してくれる。ぼくはお礼を言って、お金を渡すべきかどうか迷うが、それはあんまりだと思い直し、「いずれお礼をさせていただきますね」と言い、「ではこれで失礼します」と立ち去ろうとする。

 意外なことに、男は「自分ももう帰るところですから」と言って、ぼくについてきた。外は風雨が激しく、駅の周りは帰宅を急ぐ人々でいっぱいだ。空を見上げると雲の流れが速い。ぼくは「台風が来ていますね」と彼に言う。彼は「ではどこかで休みましょうか」と言って、周辺の商店街を物色し始める。飲食店を探しているのだと思うが、適当なところはなさそうだ。さらに彼は暗い木造階段を上がり、無人の店舗のドアの破れ目に指先を突っ込んで穴を大きくすると、目を当てて中を覗き込む。ぼくは当惑して下から見上げるだけだ。「場合によってはここでもいいですか」と彼がぼくに問いかけたとたん、ぼくは不穏なものを感じて一目散に逃げ出し、後ろも振り返らずに全力疾走する。せめてガードを越えて駅の向こう側にたどりつければと思うが、線路を越える道がなかなか見つからない。

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5月8日の夢(車椅子とタクシー)

 ぼくは車椅子生活になってしまった。だが元気に会社の中を車椅子で駆け回っている。同僚たちが「大変ですね」と声をかけてくるが、「大丈夫です」と明るく返事をする。だが急いでいて、あちこちで植木鉢などをひっくり返してしまう。慌ててあり合わせの道具でこぼれた土をすくって元に戻す。

 タクシーに乗っている。走っているのは爽やかな海辺で、ぼくは座席で言葉遊びをしたり、フォークソングを歌ったりしてすっかりご機嫌だ。目的地に到着した。タクシー代を支払わなければならないなとぼんやり考えていて、「これ、今日の分です」という運転手の声に我に返る。運転手がぼくの方に腕を伸ばし、紙に包んだ千円札二枚と百円玉二枚を渡そうとしている。「あれっ、ぼくの方が料金を払うんでしょ?」と言うと、「あっ、そうでしたね」と運転手は頭をかく。「ぼくも朝、あなたのタクシーに乗れると、気持ちよく一日を始められるんですよ」と声をかけてやると、運転手も嬉しそうだ。

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5月6日の夢(ヒロシマ)

 工場で働いている初老の同僚が辞めるという。彼は僕らに向けて一つの言葉を遺していった。それは何かの重大な事件を解き明かす鍵になる言葉だ。ぼくらは急いで警察署に向かった。途中で登園途中の幼稚園児たちも一緒になり、みんなで警察署の階段をドヤドヤ登ろうとするが、あまりに人数が多過ぎておしくらまんじゅうになり、ぼくは階段をのぼれない。邪魔な幼稚園児を押し除け、同僚に引っ張り上げてもらい、やっと二階に到達する。

 そこは工場の二階にある事務所だった。ぼくはそこで同僚の遺した言葉をパソコンで検索しようとする。その言葉は「ヒロシマ」のはずだった。いや、別の言葉だったような気もする。しかし検索しようとすると、ぼくのパソコンが消えている。ほかの同僚のパソコンを借りようとするが、事務所の中の全てのパソコンがなくなっている。ぼくはみんなに「ぼくのパソコンはどこ?」と尋ねるが、誰も答えることができない。

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5月2日の夢(グループ展)

 グループ展の準備のため、メンバーたちと会食している。「別の場所にほかのメンバーがいるから」と一人が言って、立ち去る。それなら自分も挨拶に行こうと思い、ぼくも後を追う。すると、そこには会食メンバーたちより多くの仲間がいた。過激な展覧会の参加者たちのはずなのに、彼らは意外とおとなしくて紳士的だ。元のメンバーたちのところへ帰り、「彼らは本当に自分たちのやりたいことを、やろうとしていないんじゃないか」と言うと、メンバーたちも同意見だと言う。

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5月1日のもう一つの夢(世界詩人会議と洗濯物)

 世界詩人会議がまた日本で開催された。前回の主催者だった詩人のA氏(故人)も元気な姿を見せている。しかしぼくは会議には参加せず、会場には行ったもののそのまま電車で戻ってくる。

 自宅近くの交差点に立つと、ちょうど雨が上がりかけていて、みるみる青空が広がってきた。自宅のそばの古民家のような旅館街は洗濯物が道いっぱいに干されている。郵便箱を覗こうとするが、辺り一面の洗濯物が邪魔なのであきらめる。

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5月1日の夢(ハンガーと3枚の服)

 川のほとりに社長室がある。社長室といっても屋外の草原である。ぼくはハンガーを持っている。家人から届けられた3着の洋服がそこにかかっている。一着目は貴族が着るような乗馬服で、二着目は白いワイシャツだが、3着目はよく分からない。しかし、社長室にこんなハンガーは似合わないので、対岸のオフィスに向かう。オフィスといっても、そこは薄汚れた古民家の納屋である。どこか柱に打ち込んだ古釘にハンマーをかけたいと思うのだが、たくさんの社員たちが行き来していて、適当な場所がない。

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4月30日の夢(二枚のカード)

 どこか渓谷のようなところに家がある。だがその家に入るにはカードが要る。幸い、そのカードを二枚手に入れることができた。白いカードには血のように赤い染みが一つついている。これがあれば多分あの家に入れると思うが、実際に行ってみないと確かなことは分からない。それに関係者全員の枚数が必要なので、まず全員分のコピーを作る。その家に行くためには交通機関もないので、次にそれを作ることにしようと思う。

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4月29日の夢(頭に生えた盆栽)

 部屋が埃っぽいので掃除機をかけている内、自分の頭もしばらく散髪していないことに気づく。自分で髪を切ろうとバリカンを手に鏡を覗くと、後頭部の左右両側に盆栽の松のような形で髪が束になって生えている。これは電動鋸で切り取った方が早い。まず右を切り、次に左を切る。仕上がりを鏡に写したいと思うが、家には全身鏡がない。外に出ると、そこは長野の善光寺。確かここに壁一面の鏡があったはずと思うが、そこは閉店したらしくシャッターが閉まっている。全身鏡はないが、軒から凸面鏡がぶら下がっている。それに写して、後頭部の散髪を仕上げたいと思うが、若い女性連れのヒッピー風の男が、その鏡の前で調髪している。ぼくが遠慮していると、女性が「鏡を独占しなくてもいいでしょ」と男に声をかけてくれ、ぼくも鏡を使わせてもらえることになった。

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4月16日の夢(ダーク・ダックス)

 テレビにダーク・ダックスが出演している。リードボーカルのマンガさんを中心に美しいハーモニーを響かせている。バスのゾウさんは最近声が嗄れがちだが、今日はどうだろう? いや、ゾウさんも若々しくにこやかな表情で、豊かな低音を聞かせてくれる。あれっ? ゾウさん以外の三人は亡くなったんじゃなかったっけ? どうして四人が揃っているんだろう?!

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4月14日の夢(暗殺者になる)

 ぼくとNとは暗殺者としてコンサート会場に侵入し、最前列の椅子に座って指示を待つ。ぼくは膝に二つの黒い鞄を抱え、不安にかられて何度も胸ポケットから指示書を取り出して読み直す。隣に座ったNが「見つかるよ」と声をかけてくる。しかし観客に知られることなくステージのピアノに鍵を差し込むなんて、どう考えても困難だ。

 休憩時間にNとぼくは外に出る。雨が降っていて小寒い。Nはトイレに入り、「きみは大丈夫か」と言う。ぼくも尿意を感じるが「大丈夫」と答えて、傘を差したまま外で待つ。

 休憩が終わり、ぼくらは再び会場に戻らねばならない。スキンヘッドの男がぼくらのために会場の床のスイッチを押す。石畳がずれて、少しだけ隙間ができる。そこへまずNが身体を差し入れる。その瞬間どたどたという足音がする。緊急事態が発生したらしい。急いで隙間は閉じられる。石の壁にバラ色の血痕が花が開くように滲み出してくるのを、ぼくは茫然と見つめる。

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