8月14日の夢(すり替え)

 ぼくは美術評論家だ。今日はある優れた展覧会を紹介するコラムを書いている。添付するために出展された作品の一つを写真に撮る。それは八分の一に切り取られたピザの断片のようなもので、うまく切り離せなかった部分が尻尾のようにくっついている。入稿してからはっと気づく。これは入稿直前にすり替えられた偽物の作品だ。この断片は人間生活の醜悪さを象徴するもので、展覧会を否定しようとするものが置いて行ったものだ。だが、もう既に遅い。

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