8月10日の夢(社内劇団)

 ぼくは社内劇団の主宰者である。今日はS社二階の講堂を借りてリハーサルをすることになっている。立派な会場でリハができることで、ぼくは誇らしい気持ちだ。ひとり勇躍して、ぼくはエレベーターで二階に着く。
 しかし、そこにはS社の社員たちが大勢いた。なにやら行進をしたりして、社内行事の真っ最中だ。おかしいな。ぼくは会場予約を忘れたのだろうか。楽屋のドアを開け、ぼくは中にいた中年男性に問いかけるが、彼は床に座り込んだまま要領を得ない。やがて隣のドアを開けて、個性的な顔の男性が顔を出した。ぼくは改めて彼に話しかけるが、彼はぼくになれなれしく「ほら、ぼくですよ。また忘れちゃったんですか」と笑顔で話しかける。ぼくは彼に見覚えがないが、ぼくと前にも会ったことがあると言いたいらしい。そこへどやどやと劇団のメンバーが談笑しながら階段を登ってきた。彼らの士気をくじきたくない。この会場が押さえられていないと知ったら、ぼくの顔は丸つぶれだ。本当に会場は予約されていないのだろうか。

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