2月9日の夢(手術)

 泌尿器科に行くと、女医さんが「手術の必要があります。でも手術ができるのは今日しかありません」と言う。ほかの男性患者と三人で手術の順番を待つことにする。だが、待てど暮らせど順番が来ない。待合室を覗くと、今日に限って患者が満員で、女医の手が空かないのだ。「トイレに行っておいた方がよいでしょうか」と尋ねるが、「そうね」と女医は気のない返事しかしない。自分の判断でトイレへ行くことにし、トイレのドアを開ける。
 トイレの中は真ん中に大きな穴があり、全体が灰色の石臼のような感じ。床は汚いが、スリッパがないので、裸足のままで入る。およそトイレらしくないけれど、ここはトイレなのだからと、石臼の外側に用を足し始める。すると、真ん中の穴の底に痩せた老人が現れる。穴はほぼ人の身長の深さなので、ちょうど真ん中の禿げた頭だけが、床から顔を出す。ぼくは彼の頭におしっこがかからないように苦労する。
 トイレから戻ると、待ち時間が長いので、食事が出されていた。しかし、ぼくは運悪く、食べ逃してしまった。いつのまにか他の男たちは手術を終えたようだが、日が暮れて夜が来ても、ぼくだけは忘れられたみたいに待ち続ける。いったんクリニックを離れ、帰ってきてみると、シャッターを下ろした商店街の一角に、手術用のベッドがセットされている。だが、女医も看護師もいない。戻ってきたぼくを見て、誰かが彼らを呼びに行ってくれる。もう夜の十時だ。半分あきらめかけている。すると、夜の車道を、女医と看護師たちが点滴や手術道具を持って、ぼくに向かって走ってくるのが見える。
 

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