9月10日の夢(6万円札)

 定年退職の日が来た。妻といっしょに会社のみんなに花束をもらって、拍手に見送られて会社を出た。これでもう永遠にこの会社に出社することはないのだ。
 ところが翌日も会社に行き、今は空席になった自分の席に座っている。もちろんパソコンもなければ、仕事もないから、全く退屈なのだが、どうせ空席なので、皆も黙認してくれている。こんなことはやめて明日からは家にいればよいのだろうか。
 旅館の支払いをしなくてはいけない。一度玄関を出てから、また戻って「すみません」とおかみを呼び、お勘定を頼むと、おかみは「2階のお部屋の方ですね。5万円かなあ」と、曖昧な言い方をする。6万円と聞いていたのに、1万円安い。ぼくは反射的に6万円札を1枚おかみに渡す。彼女がごそごそとお釣りを探すのを見ながら、ぼくは「お釣りはいいよ」と言うべきか、せめて、「これはよくしてもらったお礼だから取っておいて」と言って、5千円チップをあげるべきかなあと悩み、財布をあけて千円札の数を数えはじめる。

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