6月5日の夢(退職した会社訪問)

 退職した会社をリタイア後初めて訪ねた。ぼくがダメだと思っていたカメラマンを使ったピアノの広告が新聞の一面広告として採用されたらしい。青森の恐山近くの風景にアップライトピアノを置いて撮影したカットで、ぼくはそんなものが採用されるわけはないと、さんざんくさしたものだ。撮影したときは天気が悪かったらしく、全体に画面がぼーっとぼやけている。しかし、ぼくの意見とは反対にこの広告がクライアントに採用されたことに、ぼくは動揺する。
 オフィスの二階に上がるとスタッフは一新され、オフィスの中もすっかりモダンになっている。ぼくの後任の男性は就業時間が終わったあと、自席にチェロを持ちこんで現代音楽を超絶テクニックで演奏している。ほかのスタッフはその音量に迷惑そうだが、彼がぼくより存在感を出していることにさらに動揺する。
 あらゆることがぼくの考え方を否定した形でうまく回っているようだ。ぼくはいたたまれなくなって、自分のもう居場所のない元の職場を後にする。

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