2月11日の夢(文研再建)

 ぼくは東京に出てきて、学生生活を始めた。ぼくの下宿にはいつも男の学生たち四人ぐらいが勝手に入り込み、部屋を占領しようとするので、外から帰ってくると、彼らを大声で叱責し、追い出すことから始めなければならない。
 さて、今日は最初の講義の日だ。授業前に日替わりで学生たちが黒板に何かを書くことになっている。今日はぼくが当番の日だ。明日は誰が当番なのだろう?
 「藤巻先生の授業が始まります」という声がする。学生が二人アシスタントにつくらしく、彼らの名前もコールされる。クラスのリーダー格の女子学生が「一色さん、今日は授業が延びるので、その後で一色さんが予定されている文研の集まりが少し遅れてもいいですか」と尋ねてくる。「ええ、いいですよ」と反射的に答えるが、メンバーにどうやってそれを伝えればよいのだろう。第一、文研はもうあってなきがごときサークルなのだ。メンバーの中にファンタジーの作者として才能のありそうな人が何人かいるので、彼らを再結集して新しい文研を作り上げたいというのがぼくの夢なのだが、去年の機関誌をぼくは一冊も持っていない。これでは彼らに連絡のとりようもないではないか。メンバー募集のため、学生課のハンコを貰って、掲示板にポスターを貼りだそうか、あるいはキャンパスでチラシ配りをしようか。どちらもかったるいなあと思う。

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