7月2日の夢(天国へ向かう船)

 船で天国へ向かっている。天国へ昇っていくのだから、既に死んでいるはずだが、おしっこはしたいし、船は規則ずくめで気分がよくない。トイレを覗いてみるが、上下二つのフロアにあるトイレはいずれも身体障害者優先トイレで、二列にわたって体の不自由な人がベンチに腰かけて順番を待っている。これではとても入れそうになく、あきらめる。
 ぼくのかたわらには透明ガラスの向こうに部屋があって、そこには女性詩人のHさんがいて、きれいな声で歌いながら、占いの呼び込みをしている。
 突然、船は目的地に到着したらしい。フロアの一角に箱に閉じ込めた噴水のような機械がある。これもやっと鍵が外された。もうトイレにも誰もいなくなった。トイレは和室で、そこに布団と枕がきれいに敷かれていて、清潔そのものだ。まだ誰も使ったことのないもののように見えて不安だが、この枕のところが便器のはず。ぼくは用を足しながら、Hさんと「もう死んだはずなのに、あいかわらず規則ばかりで、うるさいもんだね」と苦笑し会う。

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