11月18日の夢(戦争と洪水)

 今は戦争中だ。展覧会の会場で、駅名掲示板の作品展を見ている。駅の名前を絵のように書いた看板をコレクションしている女性の所蔵物を展示しているらしい。なぜか作者名を見ると在日の人が多い。不気味に空襲警報が鳴り響く。戦争ももう終わりに近い。会場の隣に崩れかけた鉄筋コンクリートのアパートがあり、そこに敵国に内通した工作員の男が陣取り、僕たちに降伏を迫ってくる。コンクリートの塊をどんどんぶつけ、危機一髪でぼくはそれを逃れるが、仲間の一人が地上に落とされた。落下そのものはたいした衝撃ではなく、彼は立っていたが、そこに塊がぶつけられる。最初は軽い衝撃しか感じられないようだったが、やがて重い塊がぶつかり、頭から鮮血が飛び散る。「あいた!」と叫んで倒れたところへ、誰かが重量のある塊を載せる。たちまち風船の空気が抜けるように、彼の体はしぼみ、その分周囲に地だまりが広がっていく。
 洪水がやってきた。会社の同僚達が水中に沈んだテーブルの周りに座って、仕事をしている。ぼく一人テーブルの上に仁王立ちしており、同僚達にびっくりされる。ぼくも水中に降りてみると、ちょうど首までの水深だ。地上の一段高いところに登ると、そこにはもう水がない。洪水のために破壊された堤防の杭には、「あなたの声が聞こえたよ。声を限りに叫んでいたね」と書いてある。洪水になって堤防が破壊されたら、被災した人たちに励ましの声が届けられるよう、堤防が壊れるまでは見えない場所に、この文字は書かれていたのだ。

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