6月4日の夢(仲間はずれ)

 フランスへ男女数人で遊びにきている。ぼく以外はわりと若い人たちだ。何部屋かつながった場所を借りて、ぼくはその一室にひとり離れ、殆ど眠ってくらしている。仲間たちはぼくを相手にもしてくれないから、気が滅入って、やる気が出ないのだ。
 それでも、今日は船に乗って、海の向こう側へ遊びに行こうと皆が言うので、ぼくもわくわくして、起きあがる。ちょっとホテルから外出して、ピクニックの出発前にホテルに帰ろうと歩いていると、ホテルから出てきた仲間たちと遭遇する。皆、荷物を持っている。問いただすと、皆もう日本へ帰国するという。これでは、ぼく一人フランスに置き去りにされてしまう。
 慌ててホテルに戻り、食堂で働いているおかみさんに宿泊費の精算を頼む。お札を出すと、まずいろいろなおみやげが貰えた。ハンディな蛍光灯スタンドのようなもの。それからお釣りがきた。コインではなく、一升枡くらいの大きさの錫の塊の側面を切り取ったような不定形の立方体がお釣りだという。珍しいので、ぼくはその錫の塊をしげしげと触って眺める。その間におみやげが消えてしまったが、この錫の塊を貰えたのなら、それでいいと思える。とにかく、これで日本に帰れるのだ。

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