6月2日の夢(地上を飛ぶジェット機)

 厳しいことで知られる演出家が、ぼくが書いたシナリオのドラマの演出を引き受けてくれ、今日がその稽古の初日だ。リハーサルが始まるまで、ぼくらは大勢の役者たちと共にロビーで待つ。定時の5時になったので、ぼくは役者たちに「では202号室に移動してください」と号令をかける。
 廊下で演出家は役者たちに「では、胸にこのモニターを二人一組になって付けてください」と呼びかける。木のトレイに入った名札型のモニターを役者たちは、皆胸にとりつける。ぼくも付けるべきかなと一瞬迷うが、役者ではないのだから、付けなくてもよいだろう。
 しかし、202号室ではまだ前の稽古が終わらず、少女たちがダンスのリハーサルに余念がない。曲が終わるまで待つしかない。
 ビートルズの珍しいフィルムの映写会のため、金沢に出張することになった。急がなければならないが、移動手段がないので、あるジェット旅客機のパイロットにお金をつかませ、そのジェット機に乗せてもらうことにする。だが、ジェット機は殆ど地上すれすれの高度で道路の上をゆっくり飛んでいる。これでは自動車と変わりないではないか。隣にいた同僚が「うわあ、椅子がひっくり返った。待ってくれえ!」と叫んで、道路に転がったので、その理由が分かった。ぼくと同僚だけが、飛行機の外部に椅子をくくりつけられていて、外をいっしょに飛んでいたのだ。だから、空気の薄い高空を飛ぶことができず、ジェット機は地上すれすれを低空飛行していたのだ。なんとか同僚も椅子にかけ直すことができたので、ジェット機は再び離陸し、福井を経由して、ぼくらは金沢に着くことができた。
 ホテルで上映会が始まった。このホテルはこの映画を撮るときにビートルズが泊まったホテルでもある。ぼくは一度その映画を見ているので、また見る必要はないと思い、終わり頃に会場に行く。すると、最後にぼくの知らないシーンが付け加わっていた。制作スタッフたちが自ら出演し、かっこよく歌ったり演技したりしている。なんだ、それだったらぼくも参加すればよかったなと思う。
 同僚が「このホテルには飲酒制限があってね。ビールも何本までと決まっているんだ。ジョージなんか、冗談じゃねえよと怒っていたよ」と言う。
 上映会が終わり、帰宅しようと思う。もう夜の9時だ。10時までには帰れないと、妻に言ってこなかったなと思う。「これから飛行機で帰る」と、ぼくが言うと、みんなびっくりする。女性が「私とこれで帰りませんか」と言うので、見ると、真っ白な円盤形の乗り物が駐車している。すごいスピードで走る乗り物らしい。「それは有り難いですが、料金はおいくらですか」と、ぼくはタクシー代の心配をする。

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